梅雨後半も大雨に注意!梅雨末期の大雨について解説!

6月も下旬に入り、梅雨も後半戦に突入しますが、梅雨末期も大雨となるおそれがあります。この記事では、6月1日から3日にかけての大雨と、梅雨末期の大雨について取り上げていきます。

梅雨入り間もなくして大雨に

今年2023年は6月1日から3日にかけて、西・東日本の太平洋側を中心に大雨となりました。

上の表は、2023年6月1日から3日にかけての都道府県別24時間降水量の最大値です。200mm以上降った都道府県の中でも24時間降水量の一番多かった地点をピックアップしました。表を見ると、東海地方を中心に降水量が多くなりましたが、九州南部から関東も24時間降水量が200mmを超えた所がありました。この大雨で6月の平年ひと月分の雨量を超えた所が多く、高知県、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県で線状降水帯も発生し、交通障害や浸水害が発生しました。沖縄地方から東海地方は梅雨入りして日が浅く、関東地方では、まだ梅雨入りしていない状況でした(梅雨入りは速報値のため、気象庁では秋ごろに見直しの可能性があります)。大雨の主な原因は、台風2号からの暖かく湿った空気が、日本付近に停滞している前線(梅雨前線)に流れ込んだことで、雨雲が活発化したと考えられます。

梅雨末期も油断大敵!まだまだ大雨の可能性あり

梅雨末期は大雨となりやすく、油断できません。梅雨前線は、オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の間に発生します(詳しくはこちら)。梅雨明け間近になると、太平洋高気圧の勢力が強まるため、梅雨前線が北上し、日本の本州付近に停滞しやすくなります。また、太平洋高気圧の縁を沿って、暖かく湿った空気が流れ込み、梅雨前線が活発化するため、大雨となるのです。特に、太平洋高気圧の縁となる西日本は暖かく湿った空気が流れ込みやすく、しばしば集中豪雨が発生します。

近年の梅雨末期に起こった大雨災害の事例

◆令和2年7月豪雨
令和2年7月豪雨は、7月3日から31日にかけて西日本から東北で大雨となり、各地で災害が発生しました。3日から8日は、西・東日本の広い範囲で大雨となり、熊本県、鹿児島県、福岡県、佐賀県、長崎県、岐阜県、長野県で大雨特別警報が発表されました。その後も、雨の降る日が多く、13日から14日にかけては中国地方を中心に、27日から28日は東北地方を中心に大雨となりました。この大雨により、川の氾濫や土砂災害などの大雨災害が相次ぎました。

◆平成30年7月豪雨
平成30年7月豪雨は、6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に記録的な大雨となりました。6月28日から7月8日までの総降水量は、四国地方で1,800mm、東海地方は1,200mmを超える所があり、記録的な大雨となりました。この大雨の影響で、川の氾濫・土砂災害などの大雨災害や交通障害、断水やライフラインへの被害が発生しました。この平成30年7月豪雨は、台風7号からの暖かく湿った空気が、日本付近に停滞していた前線に流れ込み、大雨となったことから、2023年6月1日から3日の大雨と似たような状況でした。

ここまで2023年6月1日から3日の大雨と、梅雨末期の大雨について事例を確認しました。まだまだ、大雨となる可能性がありますので、大雨の予想が出ている場合は、ハザードマップや避難所などの確認、防災グッズの点検をいま一度行うようにしましょう。

参考
気象庁 令和2年7月豪雨 災害をもたらした気象事例より
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2020/20200811/jyun_sokuji20200703-0731.pdf

気象庁 平成30年7月豪雨 災害をもたらした気象事例より
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2018/20180713/jyun_sokuji20180628-0708.pdf