西日本では5月中に梅雨入りを迎え、ジメジメする日が続く季節となってきました。
雨が続くと、気分が沈みがちになる方もいるかと思います。
ただ、この時期ならではの楽しみもあります!
気象庁は、6月4日に、東京都であじさいが開花したと発表しました。
平年より1日早く、昨年より6日早い開花です。
6月の6のつく日(6,16,26)はあじさいの日
梅雨のシーズンを彩るお花といえば、あじさい。雨が降っている時でも、美しく咲くあじさいを見ると、気分を上向きにさせてくれませんか?
6月の6のつく日(6日、16日、26日)はあじさいの日とされています。
あじさいには幸運を運ぶ効果があると言われていて、この時期にあじさいを逆さにして、軒下や玄関、トイレなどに吊るしておくと、魔除け効果があるとされています。
あじさいの開花宣言の定義とは?
“開花宣言”と言うと、桜を思い浮かべる方が多いかと思いますが、実は、気象庁では生物季節観測の一つとして、毎年あじさいの開花も都道府県ごとに発表しています。
気象庁が発表するあじさいの開花とは、各県の標本木の“真花(しんか)”が2~3輪咲いた状態となった最初の日を示します。
東京都のあじさいの標本木は、千代田区の皇居に隣接する国民公園である、北の丸公園にあり、東京でもあじさいを楽しめる時期が始まりました。
あじさいの花びらの部分、実はココ!!
多くの方が、あじさいの“花”だと思っている部分は、実は花ではありません。
この部分はガクが成長したもので、装飾花(そうしょくか)と言います。
中央にある小さい蕾のような部分が“真花(しんか)”と言われ、気象庁では、この部分が2〜3輪咲いた状態となった日を、「あじさいの開花日」としています。
あじさいの見頃はいつ?
では、今年2023年のあじさいの見頃はいつ頃となるのでしょうか。
前述の通り、あじさいの開花は真花が咲いた状態です。
桜の場合は、開花から見頃を迎えるまでに、一週間ほどかかりますが、あじさいの場合は、気象庁の開花日発表からすでに見頃がスタートしています!
下の表は、気象庁が観測している、あじさい開花日の平年値(1991〜2020年)の等期日線図です。例年、6月はじめに九州地方から開花が始まり、6月中には西〜東日本で、その後、7月〜8月は北日本へと開花前線が北上します。
あじさいの開花日は、春(3〜5月)の平均気温の影響を受けるようです。今年は、3月から4月上旬にかけて顕著な高温となったことから、見頃を迎える時期が早くなっています。
あじさいの見頃は比較的長く、種類によっても見頃時期がずれるので、長く楽しむことができます。
あじさいが雨の日に映える理由
あじさいは、ほかの花とは異なり、カラッと晴れた日よりもシトシト雨の降っている日の方が、いきいきとして見えますよね。
それはなぜでしょうか。
あじさいは、英語でハイドランジア「Hydrangea」と言います。
前半の「Hydro-」は「水」を示す接頭語で、後半の「angea」はラテン語やギリシャ語で「器」を意味しています。
「水の器」という名前の通り、あじさいは体内に水をたっぷり含む意味とされ、たっぷりな水やりが欠かせません。
水を含むことで花びらが元気になり、雨の日にいきいきとしているのも理解ができまね。
ただ、あじさいは日陰や水だけでなく、日光も好むため、育てる際は、注意が必要です。
気温や日当たり具合で見頃も変わり、種類によっても異なるため、あじさいは比較的長く楽しむことができます!
今年は各地であじさいまつりも開催されているため、あじさいの観賞をしにお出かけしてみてはいかがでしょうか♪
【参考資料】
・気象庁:生物季節観測の情報
https://www.data.jma.go.jp/sakura/data/
・華表 正明,山口 隆子 (2019)『日本におけるアジサイの開花日に関する気候学的研究』、日本生気象学会雑誌
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/56/1/56_13/_pdf