【梅雨入り】2023年はいつ?気象予報士が梅雨のメカニズムも解説!

「梅雨入り」という言葉をニュースや天気予報で見聞きするようになってきましたね。初夏が終わり雨のシーズンを告げる、気象予報の世界では特別な意味を持つ言葉です。この記事では、気になる梅雨について気象予報士が詳しく解説していきます!

梅雨入りはいつ?梅雨ってどんな現象?

この時期になると「梅雨」という言葉をよく耳にすると思います。梅雨とは、晩春から夏にかけて雨やくもりの日が多く現れる期間です。読み方は「つゆ」と「ばいう」の二つがありますが、どちらも正しいです。この梅雨の期間に入ることを「梅雨入り」と言いますが、日本全国すべての地域で梅雨入りする訳ではありません。梅雨入りは、沖縄から東北までで、北海道は対象外となっています。ただ、北海道でも、くもりや雨の日が続くことがあり、これを「蝦夷梅雨(えぞづゆ)」と言います。毎年のように梅雨の天気が出現しないことから気象庁で使われる気象用語ではないため、通常梅雨といったら、沖縄から東北までを考えます。

 

梅雨入りっていつ頃なの?

梅雨入りはいつ頃になるのでしょうか?1991~2020年の平年値のデータを参考に見ていきましょう。

上の表は、各地域の梅雨入りの平年値をまとめたものです。上の表を見ると、沖縄から九州南部は5月中旬から下旬、九州北部から東北は6月上旬から中旬に梅雨入りすることが多いです。今年2023年は、5月18日に沖縄・奄美で梅雨入りとなりました(梅雨入りは、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。なお、この梅雨入りの発表は速報値となっているため、実際の天候経過を考慮した検討の結果、見直されることがあります。)。沖縄では平年より8日遅く、奄美では平年より6日遅い梅雨入りで、本州付近の梅雨入りが気になりますね!なお、梅雨入りは必ず発表される訳ではありません。四国地方と近畿地方では、1963年に梅雨入りの日が特定できないということがありました。

 

梅雨のメカニズム

ここまで梅雨入りについてみてきましたが、梅雨とはどのような現象なのでしょうか?天気図を見ながら解説していきます!

梅雨の時期になると、日本付近には二つの高気圧が現れます。日本の南には太平洋高気圧、日本の北にはオホーツク海高気圧が位置します。その二つの高気圧の間に前線が発生するのです。この前線を「梅雨前線」といいます。梅雨前線は、オホーツク海高気圧から吹く冷たい湿った北東風と、太平洋高気圧から吹く暖かく湿った南西風がぶつかり合って発生します。二つの空気がぶつかり合うことで、前線が停滞し、雨が長く降り続きます。なお、例年7月中旬頃になると、太平洋高気圧が北に張り出し梅雨前線が北上することで、南から次第に梅雨明けとなります。

 

以上、梅雨入りとそのメカニズムについて簡単に解説しました。今年2023年はすでに沖縄・奄美で梅雨入りとなりましたが、本州付近の雨の季節はもう間もなくです。雨のシーズンを前に準備を進めましょう!

 

参考

気象庁 令和5年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)

https://www.data.jma.go.jp/cpd/baiu/sokuhou_baiu.html

 

浅井冨雄・内田英治・河村武:気象の事典 平凡社版 p418-420 1999