【そらトレ】こどもの筋トレ方法やダイエットのリスク

こどもの頃は筋肉を傷つけてしまう筋トレや食事を制限するダイエットなどは注意が必要です。どの程度行えばよいか、何に気をつければよいか、また、こどもの頃にオススメのトレーニングなどを説明します。

こどもの頃の筋トレやダイエットのリスク

こどもの頃は、身体が成長途中で、無理に筋トレを行ってしまうと筋肉を傷つけてしまう可能性があります。本来伸びるはずのやわらかい骨が負荷の高い筋トレをしてしまうことで潰れてしまい、背が伸びなくなる原因になることもあります。負荷の高いトレーニングは注意が必要です。

また、ダイエットはSNSの普及も手伝い、こどもなど低年齢化が進んでいると言われています。ダイエットによる食事制限はこどもの成長に必要な栄養素の不足を引き起こし、健康にも悪影響を及ぼします。身体の成長を妨げ、病気になりやすい身体になったり、摂食障害の引き金になったりします。バランスの良い食事をしっかり摂るように心がけましょう。

小学生の筋肉トレーニング


トレーニングによって筋肉が肥大するようになるのは、だいたい成長期が終わるころからで、小学生が筋トレをしてもマッチョになることはありません。しかも、まだ骨格ができあがっておらず、負荷をかけるようなトレーニングは避けるべきです。こどもの身体 は筋肉よりも神経系が先に発達するため、身体にいろいろな動きを経験させるほうが大事とされています。公園でいろんな遊具で遊ぶ方が頭も使うので良いでしょう。

運動神経が伸びるゴールデンエイジ

ゴールデンエイジとは主に小学生にあたる年齢のこどもたちを指し、運動神経が著しく成長する時期です。年齢による成長の度合いを表した 「スキャモンの発育発達曲線」によると中学の上がるころには「神経系」は大人と同じ100%のラインまで成長しています。

例えば、自転車などゴールデンエイジのこどものうちに習うと、どんなにブランクがあっても乗り方を忘れることはありませんが、大人になってから初めて行うと覚えるのに苦労します。このため12歳までのこの時期にどれだけ多くの神経回路を作れるかが重要と言われています。昔懐かしいケンケンパなどバランス能力を鍛える遊びが適しています。
また、将来的にスポーツに適したしなやかな筋肉を作るには、体幹バランストレーニングが良いとされています 。例えばサッカーでも、キックをするときは軸足一本で上半身を支え、さらに軸足を支点として蹴る方の足を前後に振ります。この時軸足が安定していないと正確なパスやシュートが打てなくなってしまいます。

オススメの体幹トレーニング

小学生でもできる簡単な体幹トレーニングを4種類紹介します。もちろん大人がやってもしっかりと効果の出る種目です。こどもは飽きやすいので、時々メニューを変えながらお風呂あがりにでも一緒に行うと良いでしょう。

①プランク
うつ伏せになり、肩の真下に肘をつきましょう。足は揃えてつま先を地面に向けます。お腹に力を入れ、身体をまっすぐにキープさせます。30秒~1分ほど頑張りましょう。
②サイドプランク
身体を横に開いて、片手で身体を支えます。おしりを持ち上げて、足先から頭までまっすぐにキープしましょう。お腹に力を入れ、姿勢が崩れないように気を付けてください。こちらも片側30秒~1分ほどやってみましょう。
③ツイストクランチ
こちらは腹筋も同時に引き締められる種目で、仰向けに寝て、膝を90°に曲げます。両手で頭を支えて、上半身を起こすのと同時にひねります。左右交互に10回を3セットほど行いましょう。
④ピップリフト
仰向けに寝て、膝を曲げ、足裏を地面につけた状態から、肩、お腹、太ももが一直線になるように、床から持ち上げます。この時おしりが下がらないようにキープしましょう。始めのうちは1分くらいを目標にして、慣れてきたらのばしましょう。

中学生の筋肉トレーニング

ゴールデンエイジが終わり、ポストゴールデンエイジと呼ばれる、骨格や筋力が出来上がり始める時期になります。1年間に5~10cm身長が伸びる成長期で、小学生の時と同じく、軟骨が柔らかい段階です。バーベルを使うような負荷の高い筋トレはできるだけ避けてください。

高校生の筋肉トレーニング

小さい頃に比べて身体が大きくなり、筋肉がつきやすくなる時期ですが、やはり成長期が終わる頃までは高負荷の筋トレは避けた方が良いでしょう。おもりなどを使わない懸垂などの自重トレーニングは大丈夫ですが、物足りなくなった場合は、ダンベルなどで15~20回程度続けられる重さの負荷をかけることから始めてください。

<参考>
石井直方「筋肉の機能・性質パーフェクト事典」(2020年3月)
木場克己「子供の運動能力が高まる体幹バランストレーニング」(2013年9月)