今日4月5日(水)は、二十四節気の「清明(せいめい)」です。二十四節気の中では、あまりなじみのない節気の一つかもしれませんが、沖縄や中国では、先祖のお墓参りをする重要な行事があります。このコラムでは、清明の意味やこの時期の特徴、お墓参りの風習についてご紹介します。
清明の意味やこの時期の特徴
「清明」は、春先の清らかで明るく、生き生きとした様子を表した「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」という言葉を略したものです。この頃は、万物が若返って、花々が咲き誇り、鳥も盛んに歌うようになる、とても清々しい季節です。日本では、ちょうど桜が見頃を迎える頃ですね。
“春分”の後に吹く南東からの穏やかな風を「清明風(せいめいふう)」とも呼びます。”立春”の後に最初に吹く強い南風、「春一番」は雪崩の注意喚起など防災上の意味合いも大きいのに対し、「清明風」は冷たい北風の吹く冬が終わり、本格的に暖かな春が訪れることを示しています。
清明にはお墓参りの風習がある?
本州では、「お盆」や春と秋の「お彼岸」にお墓参りをしますが、沖縄では異なります。沖縄のお墓参りでは、「十六日(ジュウルクニチー)」、「清明祭(シーミー)」、「七夕(タナバタ)」の3つの行事が重要です。
「清明祭」はその中でも有名で、清明(4月5日頃)から5月上旬頃に行われるお墓参りです。親族間の親睦を深めて集団を確認し、結束を固める役割の大きい行事で、お墓の前で宴会が行われ、ピクニックのような雰囲気があります。清明祭では、重箱料理(ジューバク・ウサンミ)というお供え物が用意されます。もち重とおかず重があり、お菓子や果物などと一緒に墓前に供えて、先祖の供養をします。
清明祭は中国から伝わった先祖供養の行事です。ちなみに、中国では二十四節気の清明は、「清明節(チンミンジェ)」といって先祖のお墓参りをする日として定められた祝日です。「春節」、「端午節」、「中秋節」とともに4つの伝統的な祝日の1つなんです。
二十四節気とは
二十四節気は、日の長さをもとに1年を24等分した暦のことです。春夏秋冬の4つの季節に分かれ、さらにそれぞれを6つに分けています。「冬至・春分・夏至・秋分」と、それらの中間点にあたる「立春・立夏・立秋・立冬」のほかは、「大暑」「霜降」など、その季節の特徴的な現象を名に表しています。日にちは年によって数日変わることがあり、毎年2月に国立天文台暦計算室が発表する「暦要項」で、翌年の日にちが公表されます。
「清明」の次は4月20日頃の「穀雨」。春を表す最後の節気になります。