【子育てコラム】赤ちゃん 春夏のお洋服選びどうする? 

春から夏にかけては日ごとも、一日の中でも寒暖差が大きく、服装選びが難しい時期。赤ちゃんの皮膚の厚さは大人の約2分の1しかなく、とってもデリケート。また、体温調節機能が未熟なので、そのときの気温にあった服装選びがとても大切です!春夏に気を付けたい赤ちゃんの体調管理のポイントと、気温や成長に合わせたお洋服の着せ方についてお伝えします!

春夏の服の素材は通気性・吸水性・やわらか素材を


暑いと赤ちゃんは汗をかきます。肌着・ウェア・上着とも、通気性・吸水性に優れた綿100%で、やわらかく、縫い目が肌に当たらないなど、肌への刺激が少なく伸びがいいものを選ぶといいでしょう。

春~夏を通して向いている素材
メッシュ:通気性がよく、肌着の記事に使われていることの多い生地。中にはポリエステルなどの化学繊維が使われていることがありますが、赤ちゃんの肌が荒れないようであれば着せても大丈夫です。
ガーゼ:通気性・吸水性がよくふんわりやわらか。洗濯すると固くなりがちなので、ソフトなものを選んでください。
天竺:通気性に優れ、伸縮性は低めでさらっとした肌触り。汗をたくさんかく夏にもおすすめ。
フライス:伸縮性・吸汗性・伸縮性を兼ね備えた素材。身体にフィットするスパッツや下着にも向いています。

春先や梅雨寒の日の寒さ対策


春先や梅雨の雨続きの日は寒く感じられる日が多くなります。秋冬に着ていた、ダウンや防水機能以外の蒸れにくい素材の服を着回すと、無駄買いせずに済みます。また、買い足す場合は、「ジャージー」や「パイル」「スムース」素材のはおりものが、保温力が高くおすすめです。 赤ちゃんは寒ければ体全体がひんやりしています。寒いかどうかを確認するときは、首筋や背中をさわって確認しましょう。手足も冷たいことがありますが、手足の血管を拡張・収縮させて体温を調節させているためで、寒いとは限りません。

ジャージー素材:吸汗性に優れ、裏地がパイル地になっているため、保温性が高い生地です。
パイル素材:パイル編みによる空気の層で保温性があり、肌寒い時期に向いています。
スムース素材:なめらかでやわらかな肌触りの伸縮素材。保温保湿、吸汗性に優れ、はおりものに適しています。

4月からは紫外線対策を

日差しが次第に強くなる4月からは、外出の時間が長いと日焼けの原因になります。紫外線の強い10時から14時は、外遊びはできるだけ日陰を選んだり、極力外出を控えたりしましょう。お出かけの際は、紫外線対策に帽子、靴下、はおりもの、ガーゼのおくるみなどが活躍します。帽子を被せるのが難しい場合は、ベビーカーの幌を下ろす、赤ちゃんに使える日焼け止めを塗るなどして日差しをガードしましょう。

春夏の便利グッズ


・ガーゼ素材のおくるみ
・短肌着・長肌着セット


・保冷グッズ・ミニ扇風機
・日焼け対策グッズ

基本の着せ方

【平均気温が20℃以下のとき】

生後0~5か月(ねんね~寝返りの頃)
長袖2ウェイオール か 長袖カバーオール + 肌着
6か月頃~2歳頃(おすわり~あんよの頃)
ボトムス + 長袖トップス + 肌着

【平均気温が21℃以上のとき】

生後0~5か月(ねんね~寝返りの頃)
半袖の2ウェイオール or 半袖カバーオール or 半袖ロンパース + 肌着
6か月頃~2歳頃(おすわり~あんよの頃)
ボトムス + 半袖トップス + 肌着

平均気温が11℃以下のとき


平均気温が11℃以下の地域

3月
札幌 青森 秋田 仙台 新潟 東京 名古屋 大阪 松江 福岡
4月
札幌 青森 秋田 仙台 新潟

平均気温が11℃以下は、日差しに春を感じるものの、冬の寒さが続くので、しっかりとした寒さ対策を行いましょう。お出かけは、基本の着せ方に、アウター + 帽子 + 靴下 を着せてください。“生後0~5か月”のときのアウターは、軽くて温かいフリース素材やボア素材のおくるみが使いやすいです。特別寒い日はジャンプスーツなど全身を覆い、中わた入りのアウターがおすすめ。“6か月頃~2歳頃”のアウターは、風を通さないナイロンやフリース素材の上着がいいでしょう。雪の降る日のアウターは、防水機能つきを選んでください。

平均気温が12~15℃のとき


平均気温が12~15℃の地域

3月
鹿児島 那覇
4月
東京 名古屋 大阪 広島 福岡
5月
札幌 青森 秋田 仙台

平均気温が12~15℃のときは、日差しが暖かく感じられます。季節の変わり目で寒暖差が大きいので、防寒具も活用してください。お出かけは基本の着せ方に、はおりもの + 帽子 + 靴下をはかせましょう。カーディガンなどはおりものは秋冬も使えるため、1サイズ大きいものを選んでもいいでしょう。“6か月頃~2歳頃 ”は、おうちの中で上手に歩けるようになったら、靴を履かせることを検討してください。靴下は、紫外線対策や、けが防止に外出時にはかせましょう。大きいと脱げやすいので、ぴったりのサイズを選んでください。“6か月頃~2歳頃 ”は、滑り止め付きの靴下がおすすめです。

平均気温が16~20℃のとき


平均気温が16~20℃の地域

4月
鹿児島
5月
東京 新潟 名古屋 大阪 広島 松江 福岡
6月
札幌 青森 仙台 新潟
7月
札幌

平均気温が16~20℃のときは、朝晩の寒さが和らぎ過ごしやすく感じられる日が多くなりますが、日差しが本格的に強くなってきますので、外出する際は紫外線対策が必要です。
お出かけの際は、基本の着せ方に、帽子や靴下をプラスしましょう。“生後0~5か月”の帽子選びは、つばが小さい、または、やわらかい素材のもので、ジャストサイズを選んでください。“6か月頃~2歳頃 ”は、吸水・速乾性のある、つばつきの帽子を選びましょう。朝晩や日差しの少ない日は、おくるみやはおりものがあると安心です。

平均気温が21℃以上のとき


平均気温が21℃以上の地域

6月
東京 名古屋 大阪 広島 松江 福岡 鹿児島 那覇
7月
秋田 仙台 東京 名古屋 大阪 広島 松江 福岡 鹿児島 那覇
8月
札幌 青森 秋田 仙台 東京 名古屋 大阪 広島 松江 福岡 鹿児島 那覇

平均気温が21℃以上のお出かけは、半袖で過ごせます。梅雨の時期など、くもりや雨の日は気温の数字より肌寒く感じられるため、カーディガンなどのはおりもの、おくるみ、靴下などの調節アイテムがあると安心です。はおりものは、長袖で前開きが脱ぎ着しやすくおすすめです。秋冬も使えるため1つ大きいサイズを選んでもいいでしょう。フード付きは取り外せるタイプを選んでください。梅雨明け後は、日焼け止めを塗る、帽子を被る、極力昼間の外出を控える など、万全の紫外線・暑さ対策を行ってください。

 

<引用・参考>
(株)ベネッセコーポレーション刊 雑誌『ひよこクラブ』 2021年4月号
「はじめてのママ&パパの育児主」 主婦の友社

<監修>吉田邦枝先生【小児科医】 東京医科歯科大学医学部卒。同大学小児科学教室に入局、関連病院で研修後、子育て期間を経て、現在は東京都内、埼玉県内のクリニックに勤務。日々こどもの診療に奮闘中。自然科学全般に興味があり、気象予報士の資格も取得。