爆弾低気圧がくると体調不良に?

日中は暖かく感じられる日が増え、春の訪れを実感できる頃となってきました。この時期に注意したいのが爆弾低気圧です。3月から5月頃は「春の嵐」と呼ばれる激しい現象の起きやすい季節です。また、春は天気の変化が大きく、身体に不調が起きやすくなります。今日は、爆弾低気圧が発生しやすい理由や低気圧通過前後の身体への影響についてお話します。

 

春は低気圧が発達しやすい

「春に三日の晴れなし」ということわざを耳にしたことがありますか?春は晴れの天気と雨の天気の入れ替わりが激しく、晴れる日が長続きしない、という意味です。中緯度上空で吹く強い西風である偏西風が、日本付近で蛇行しやすいため、春はこのことわざのように低気圧と高気圧が交互に通過しやすくなります。
低気圧の進行方向前側は南からの暖かい空気が流れ込み、低気圧の進行方向後面は北からの冷たい空気が運び込まれるため、日本上空で暖かい空気と冷たい空気がせめぎ合い、偏西風の蛇行がしだいに渦を作って上昇気流が起きます。それを補うように、周辺から風が吹き込みます。
春は、ほかの季節よりも南北の温度差が大きいため、吹き込む風が強く、低気圧が急速に発達しやすくなります。

爆弾低気圧とは?

爆弾低気圧という言葉は、気象庁では急速に発達する低気圧と表現していますが、一般的には24時間に24hPa以上、低下する低気圧を指します。
そして、低気圧通過時は、気圧の変化だけでなく、一般に気温の変化も大きくなります。低気圧の進行方向前面は南からの暖かい空気が流れ込むため気温が高めですが、通過後は風向が北寄りに変わり、冷たい空気が流れ込んでくるためです。このため、発達した低気圧が通過するときは、気圧や気温の変化が大きくなります。

 

気圧や気温の変化による身体への影響

発達した低気圧が接近する際、暴風や大雨に加えて、気をつけたいのが身体への影響です。
気温や気圧などの気象変化によって、自律神経の乱れが起こることが、医学的な研究から分かっています。自律神経が乱れると、疲れやすくなったり、注意力が散漫になったりします。例えば、一日の中での気温差が10℃以上あったり、気圧差が5hPa以上あったりする日が、身体に負荷となりやすい条件です。また、前日よりも気温が5℃以上前後する日や、気圧が10hPa以上変化する日も体調に影響を与えます。

また、春は日中の気温が高くなりはじめ、朝晩と日中の寒暖差が大きくなると、体温を一定に保とうとする身体の働きが過剰になり、疲労が蓄積しやすくなるため特に注意が必要です。過去3年間の、東京都の一日の中での気温差を月別にみると、2月から5月にかけてが10日以上となっていて、寒暖差に注意が必要な期間です。

対策

天気予報を見る際は、雨や晴れの天気マークだけではなく、気圧や気温の変化なども確認してみましょう。「急速に発達する低気圧」や「気温変化が大きい」という言葉を見聞きする場合、ケアレスミスが起こりやすい日や疲れやすい日として把握することで、事前に注意することができます。

また、できる限り、日頃から自律神経を整えておくことも大切です。ストレッチや深呼吸を行う、日頃から湯船に浸かる習慣をつける、食事に気を遣うといった日々の習慣を、見直してみましょう。