樹氷とは
皆さんは「樹氷」という言葉を聞いたことがありますか?樹氷とは、地表付近の気温が0℃以下になったとき、樹木などの表面に大気中の水蒸気が付着して、凍結したものをいいます。樹氷ですっかり覆われた樹木は「モンスター」や「スノーモンスター」と呼ばれています。
樹氷ができる条件
樹氷ができるまでには、主に3つの条件があります。
①気温が0℃以下でも凍らずにそのまま水滴の状態を保つことができる「過冷却雲粒」と呼ばれる水の粒が、常に一定方向からの強風によって運ばれること
②過冷却雲粒が付着する樹木は、落葉広葉樹ではなく常緑針葉樹であること
③樹木の生えている山の斜面が西側を向いていること
この3つの条件が整いやすい場所として、北日本の日本海側で多く見られます。後ほど紹介しますが、日本三大樹氷がある場所は全て東北地方の比較的日本海側に位置しています。
樹氷を見に行く服装
樹氷を見に行く際には、服装に気を付ける必要があります。樹氷は雪山に存在し、日中でも気温が低く、氷点下になることも多々あります。そのため、寒さ対策をしっかり行わないと、寒さに震えてせっかくの景色も楽しむことができません。オススメの服装としては、以下の通りです。
また、インナーには保温インナーを着用するとより効果的です。さらに、周りは雪に覆われているため、日差しが出ていると太陽の照り返しが強くなります。太陽からの照り返しが強いと、目や皮膚などが日焼けするおそれがありますので、サングラスやスキーゴーグルを持参するのもオススメです。
樹氷が見られる主なスポット
樹氷は日本で見ることができます。その中でも「日本三大樹氷」と呼ばれる樹氷スポットがあります。
◆蔵王(山形県・宮城県)
山形県と宮城県の県境付近にある蔵王連峰で樹氷を見ることができます。日本三大樹氷の中でも最も有名で、アクセスも比較的よいのが特徴です。夜には、樹氷のライトアップも行なわれ、幻想的な風景を楽しむことができます。
◆森吉山(秋田県)
秋田県にある、森吉山阿仁スキー場で樹氷を見ることができます。蔵王に比べて、首都圏などからアクセスしづらいという点はありますが、駐車場が広く、鑑賞エリアの最寄り駅までゴンドラで移動できるため、家族や友人などと一緒に楽しめます。
◆八甲田山(青森県)
青森県の八甲田山でも樹氷が見られます。規模も大きく、山頂までのロープウェイからも樹氷を眺めることができます。また、樹氷の間を縫ってスキーを楽しむこともできるため、その点も魅力的です。
参考
浅井冨雄・内田英治・河村武:気象の事典 平凡社版 p271 1999