そろそろ露がおりる時期?二十四節気「白露」の意味とは

今日9月8日(木)は、二十四節気の「白露」です。日中はまだまだ残暑が厳しいですが、朝晩はひところと比べるとだいぶ涼しくなり、少しずつ季節の移ろいを感じられるようになりました。標高の高い地域では、そろそろ露(つゆ)がおりてもおかしくない時期です。

二十四節気とは?

二十四節気は、日の長さをもとに1年を24等分した暦のことです。春夏秋冬の4つの季節に分かれ、さらにそれぞれを6つに分けています。「冬至・春分・夏至・秋分」と、それらの中間点にあたる「立春・立夏・立秋・立冬」のほかは、「大暑」「霜降」など、その季節の特徴的な現象を名に表しています。日にちは年によって数日変わることがあり、毎年2月に国立天文台暦計算室が発表する「暦要項」で、翌年の日にちが公表されます。

白露の意味とは?

白露(はくろ)とは、大気が冷えて露がおりる頃という意味です。「しらつゆ」と読むと秋の季語で、草木に白く光って見える露の美称として使われます。百人一首では、平安時代の歌人である文屋朝康(ふんやのあさやす)が「白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける」という歌を詠んでいます。この歌では、露に風が吹きつける秋の野原の情景を、紐に通して結びつけていない玉(真珠)が散り乱れているようだと表現していて、草木の上の露に光が射し、きらめいている様子が目に浮かびます。早朝の草木におりた露は、太陽が昇るにつれて消えてしまいますので、秋の朝のひと時を描いた歌です。

露のおりる条件

露は、これから晩秋にかけて多くなりますが、どんな夜でもおりるというわけではありません。おりやすい条件は、秋の移動性高気圧に覆われたときです。秋の高気圧は大陸育ちの涼しい空気を運んできます。さらに、高気圧に覆われて穏やかに晴れる夜は、地面付近の熱が宇宙に逃げる「放射冷却」が起き、グッと冷え込みます。そうすると空気中の水分が凝結して、露がおりやすくなるのです。

露と霜の違い

露と同様に、これからの時期に起こりやすい現象に「霜(しも)」があります。露は空気中の水蒸気が凝結してできた「水滴」なのに対し、霜は水蒸気が「氷の結晶」になることですので、両者は異なる現象です。霜は農作物に影響の出る可能性があり、農家の大敵です。

家で露ができやすい場所

露でイメージしやすい現象としては、窓やサッシの結露があります。窓やサッシに結露ができる原因は、室内の暖かい空気が外気で冷やされることで、飽和水蒸気量が小さくなるためです。空気中の水蒸気は、飽和水蒸気量を超えると水に変わるため、気温変化によって結露ができます。結露はカビの原因となるため、換気をしたり、室温を調整したりして対策をしましょう。

 

<参考>
「学研全訳古語辞典 改訂第二版」金田一春彦(監修) 学研プラス