9月1日の「防災の日」のコラムに続き、今日9月2日は地震について、詳しくお伝えしていきます。近年では2011年3月の東日本大震災や2016年4月に発生した熊本地震など、大きな地震による被害が数多く発生しています。地震による被害を減らすために、この週末は、防災への意識を高めてみましょう。
地震発生のメカニズム
日本は、世界の中でも地震の多い国の一つです。内閣府のまとめによると、世界で発生するM6以上の地震回数の20.8%が日本で発生しています。地震が日本で多い理由は、プレートという地球表面を覆う岩盤の境目が多いためです。日本は、海洋のプレートである太平洋プレートやフィリピン海プレート、陸地のプレートである北米プレートやユーラシアプレートの大きく4つのプレートの境界に位置しています。(図1)
図1 日本付近で発生する地震(引用:気象庁)
地震は発生のメカニズムから大きく2つのパターンに分類されます。1つ目は海溝型地震です。この地震は、海洋のプレートに陸地のプレートが引きずり込まれ、巻き込まれた陸地のプレートが跳ね返り、海を震源とする巨大な地震が発生することがあります。1923年に発生した関東大地震(関東大震災)や2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が、海溝沿いで発生し、大きな被害の発生した海溝型地震でした。2つ目は、内陸型地震です。地盤の食い違いである断層がずれて起こる地震です。1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)や2016年の平成28年熊本地震が、この内陸型地震に分類されます。国土地理院の調査によると、断層のうち、数10万年前以降に繰り返し活動し、将来も地震を発生させるような活動すると考えられる断層のことを活断層といい、日本では2,000以上も見つかっています。
マグニチュードや震度ってなに?
テレビのニュースなどでよく見聞きする「マグニチュード」や「震度」とは何でしょうか?どちらも地震に関連する言葉ですが、「マグニチュード」が地震そのものの規模を表す言葉に対して、「震度」は地震の揺れの強さになります。「マグニチュード」は地震のエネルギーの大きさを表すため、ある地震に比べてマグニチュードが0.2大きい地震は、約2倍の地震エネルギーとなり、マグニチュードが1増えると、およそ32倍のエネルギーを持ちます。一方、「震度」は地震の揺れの強さで、日本では0から7までの10段階(0、1、2、3、4、5弱、5強、6弱、6強、7)で表されます(図2)。地震による揺れが強まると、震度の階級は大きくなります。マグニチュードが大きくても震源地から離れていれば震度は小さくなり、マグニチュードが小さくても震源地に近いと震度が大きくなることがあります。
図2 震度の階級(引用:気象庁)
自宅の対策をいま一度見直そう!
日本では特に地震回数が多く、どこに暮らしていても地震リスクがあるといえます。東京都の発表では、近年の地震による負傷者の30~50%は、家具類の転倒・落下・移動が原因です。この週末は、図3を見ながら、いま一度、自分自身を守るため、また、大切な人の命を守るため、自宅など身の回りを確認しましょう。
室内では、自分の身長の高さ以上の家具はなるべく置かず、クローゼットや納戸などを利用しましょう。また、家具を置く場合も、突っ張り棒や金具などで固定し、地震による揺れで倒れないようにしましょう。また、粘着性シートなどで、固定することも有効です。
図3 住まいの地震対策
さらに、万が一、地震が発生し重たい家具が倒れてきた場合を想定して、バール・ジャッキ・のこぎりの3つの道具を用意しておくことがおすすめです(図4)。「救助作業の三種の神器」とも呼ばれ、この機会に、自宅に備えておくと、いざというとき心強いです。
図4 救助作業の三種の神器
<引用・参考>
・内閣府 防災情報のページ
https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h18/bousai2006/html/honmon/hm01010101.htm
・気象庁 地震発生のしくみ
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/jishin/about_eq.html
・気象庁 震度について
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/index.html
・国土地理院 活断層とは何か
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/explanation.html
・東京都耐震ポータルサイト
https://www.taishin.metro.tokyo.lg.jp/why/topic05.html