【気象予報士が解説】三連休前半は『爆弾低気圧』に警戒!警報級の大雨や大荒れのおそれ

11月最初の三連休は、低気圧が急速に発達する『爆弾低気圧』によって大荒れの天気となる可能性が出てきました。運動会や文化祭、秋の旅行などを計画されている方も多いかもしれませんが、気象予報士が最新の見通しを解説していきます。

爆弾低気圧とは?

爆弾低気圧とは気象庁で使用を控える言葉とされていますが、「急速に発達する低気圧」のことです。緯度によって数値が変化するものの、おおむね中心付近の気圧が24時間で20hPa前後、低下する低気圧のことを指します。
爆弾低気圧メカニズム
爆弾低気圧は春や秋に日本付近へ接近することが多く、ほかの季節よりも温度差が大きくなることが原因の一つです。
北半球では、南側に暖かな空気、北側に冷たい空気がありますが、このバランスが崩れると、上空の強い西風であるジェット気流が蛇行し始めます。蛇行し始めると、渦を作り始め、それを補うように周囲から風が吹き込みます。温度差が大きいほど、バランスをとろうと低気圧が発達し、急速に発達することがあります。このため、爆弾低気圧が春や秋に日本付近へ接近しやすくなります。

太平洋側で激しい雨に!北日本は非常に強い風が吹き荒れる

風の強さ
明日31日(金)夜から1日(土)にかけて関東付近から北日本へ低気圧が北上するタイミングで、急速に発達しそうです。低気圧の発達前の明日午後から太平洋側では局地的に1時間30ミリ以上の激しい雨が降り、関東をはじめ北日本や北陸、東海の広い範囲で警報級の大雨となる可能性があります。また、低気圧が急速に発達する影響で、風も強まり、特に北日本では非常に強い風が吹くでしょう。
大荒れの天気や大雨に警戒するとともに、明日朝の外出の時間帯は雨が降っていない地域でも丈夫な傘やカッパを持って外出してください。

移動前に確認を!強い風の対策見直して!

週末の3連休は低気圧の発達に伴い風が強まりますが、これから冬~春にかけては強風に注意が必要な季節です。いま見直したい強風対策について、まとめました。
<おうちの周りの対策>

三連休に外出を予定されている方も自宅の強風対策について、いま一度確認しましょう。
物干し竿や植木鉢などは倒れて、窓ガラスを割る可能性があります。家の中にしまうなど飛ばされやすい物は室内で保管しましょう。また、雨戸や網戸がしっかりとしまるか、必要に応じて補強をしてください。
<車の運転は横風に注意>
吹き流し
3連休の外出で車を利用する方も多いのではないでしょうか?
風が強い場合は、ハンドルが取られてしまうことがあり、注意が必要です。一般に風が強まりやすいのは、橋の上やトンネルの出口付近などとなります。風の強まりやすい場所には、吹き流しが設置されていることが多いため、水平に近い状態になっているほど注意が必要です。普段より車間距離を取り、両手でハンドルをしっかり握り、車がまっすぐ進むように保つことを意識しましょう。
<航空機などに影響の出る可能性も>
風が強まる場合は、航空機や電車などにも影響が出る可能性があります。特に長距離の移動を予定している方は、時間に余裕を持った移動を心掛け、最新の交通情報を確認してください。