今年2025年の夏を振り返る!国内最高気温を観測&梅雨は大幅見直しで沖縄~北陸は梅雨明け最早に

9月に入ってからも厳しい残暑が続いていますが、今年2025年は国内の最高気温を5年ぶりに更新するなど、記録的な暑さとなりました。
気象予報士がこの夏の天気や気温を振り返ります。

【6月】梅雨は大幅見直し!台風1号の発生は過去5番目に遅い

梅雨期間は大幅見直し!関東の梅雨明けは最早だった


気象庁から9月1日に梅雨入り・梅雨明けの確定値が発表されました。
梅雨入りは九州から北陸で20日前後早まり、東北南部・東北北部は10日近く遅くなりました。梅雨明けは、西日本で変更はなしでしたが、関東甲信と北陸は20日ほど早まりました。
気象庁では1951年以降、梅雨に関する統計を取り始めていますが、最も早い記録を更新したのは以下の通りです。
▼梅雨入り
近畿地方 5月17日頃
北陸地方 5月22日頃
▼梅雨明け
沖縄地方 6月7日頃
奄美地方 6月9日頃
九州北部地方 6月27日頃
四国地方 6月27日頃
中国地方 6月27日頃
近畿地方 6月27日頃
関東甲信地方 6月28日頃
北陸地方 6月29日頃
平年より短い梅雨となり、九州から東北は降水量が平年と比べて少なくなりました。特に、北陸と東北は、平年の半分以下の降水量となり、東北南部では40%切っている状況で、宮城県内には貯水率が0%のダムがあるなど、水不足が深刻になっています。

6月11日:台風1号ようやく発生!過去5番目に遅い記録に

台風1号の遅い記録
台風1号が6月11日午前9時に発生しました。台風は年が明けてから1号・2号…とカウントしていきますが、1951年の統計では5番目に遅い発生でした。
台風は6月に2個、7月は7個とハイペースで発生。台風1号の発生が遅いからといって、発生数や上陸数が少ないわけではありません。
台風1号の発生が遅かった2位の2016年は、台風の日本へ上陸数が6個と1990年と1993年と並んで2番目に多くなっています。
引き続き、台風へ注意・警戒が必要です。

【7月】今年初の台風上陸は北海道へ!国内の猛暑日地点数は過去最多

7月15日:北海道に台風上陸!9年ぶりに北の大地へ

2025年台風5号
台風5号が7月15日午前2時頃、北海道の襟裳岬付近に上陸しました。今年初の台風の上陸になりました。
北海道へ台風が上陸したのは2016年8月に台風7号・台風11号が相次いで上陸して以来9年ぶりです。また、7月の北海道へ上陸は初めてとなりました。
2016年は北海道へ上陸・接近した台風が異例の4つとなり、玉ねぎやジャガイモなどの農作物に大きな被害が出て、ポテトチップスを販売している各社は翌年の春に休売し、店の棚からポテトチップスが消えたこともありました。

7月29日:国内の猛暑日地点数323地点で過去最多

猛暑日地点数2025
7月29日は35度以上の猛暑日が323地点で観測され、これまでの最多記録301地点(2024年8月4日)を更新しました(※)。
今年の夏も各地で暑さの記録を更新しています。東京都心を例に見ると、8月27日に今年23日目で10日連続の猛暑日となり、2023年の年間22日と2022年の9日の連続記録をいずれも更新し、年間の猛暑日日数もこれまでの最多の22日を大幅に上回る25日となっています(2025年8月31日現在)。
※アメダスのデータは1979年以降のデータになります。
・2009年以前の真夏日・猛暑日の地点数は、2010年以降の真夏日・猛暑日の地点数と比べ相対的に少なくなります。
・2002年以前の真夏日・猛暑日の地点数は、2003年以降の真夏日・猛暑日の地点数と比べ相対的に少なくなります。

【8月】国内最高気温を塗り替える!鹿児島へ台風上陸

8月5日:群馬県伊勢崎で国内最高気温41.8度を更新!

国内最高気温観測2025
今年は国内の最高気温を2020年以来5年ぶりに更新しました。
7月30日に兵庫県柏原(かいばら)で41.2度を記録し、国内最高気温を更新しましたが、およそ1週間後の8月5日に群馬県伊勢崎(いせさき)で41.8度を観測しました。
夏の高気圧に覆われたことに加え、山を越えた暖かな風が吹きおろすフェーン現象も発生し、これまでに経験したことのない暑さとなりました。

8月21日:発生から約8時間で鹿児島に台風12号上陸!

2025年台風12号
台風12号は8月21日午前9時に鹿児島県薩摩川内市の西約90kmの海上で発生し、発生から約8時間後の午後5時過ぎに鹿児島県日置市付近に上陸しました。
九州近海の海面水温が高く、熱帯低気圧が発達し、台風へと変わりました。動きがかなり遅く、台風周辺の活発な雨雲が掛かり続け、猛烈な雨が数時間降り続いたため、鹿児島県では記録的短時間大雨情報が発表され、大雨災害の危険度が急激に高まった地域がありました。
なお、台風12号に関する情報は速報値となるため、後日、事後解析により、変更になる場合があります。

秋にかけては、全国的に猛暑が続く見込みのため、引き続き、熱中症に厳重警戒が必要です。
また、9月~10月は例年、日本の台風シーズンです。今年2025年は本州南岸の海面水温が高いため、発生直後の台風が日本へ接近する可能性もあります。そらくらの『もしもの防災』を参考に、災害の備えを見直してみましょう!

<参考・引用>
・気象庁「2025年(令和7年)の梅雨入りと梅雨明け(確定値)」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/seasonal/202508/tsuyu2025.pdf

・気象庁「過去気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php

・気象庁「台風の統計資料」
https://www.data.jma.go.jp/typhoon/statistics/index.html

・気象庁「真夏日などの地点数」(閲覧日2025年9月1日)
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/summer.php

・気象庁「台風経路図(※速報値)」
https://www.data.jma.go.jp/typhoon/route_map/bstv2025.html