山の日の今日11日(月・祝)は、熊本県や長崎県で、線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いているとして顕著な大雨に関する気象情報が発表されました。また、今日11日(月・祝)午前0時20分には熊本県玉名市、長洲町に大雨特別警報が発表され、その後も地域が増えて、午前11時時点で大雨特別警報の発表されている地域は以下の通りです。
・熊本県八代市、上天草市、天草市(浸水害・土砂災害)
・熊本県玉名市、宇城市、長洲町、氷川町(浸水害)
大雨の影響は拡大していて、この影響で九州新幹線などの交通網に影響が出ています。
記録的な大雨の原因やこの先の大雨の見通しについて、気象予報士が解説します。
三連休の交通網に大打撃!今後予想される雨の降る量は?
三連休最終日で山の日の今日11日(月・祝)は、西日本日本海側から東北地方に停滞する前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、九州北部を中心に活発な雨雲が掛かっています。九州北部では降り始めからの降水量が500ミリを超えている所があるなど、記録的な大雨となっていて、山口県や福岡県、長崎県では24時間降水量が観測史上1位の値となっている所もあります。
今後も週前半は前線が本州付近に停滞し、三連休明けの明日12日(火)にかけては前線上を低気圧が次々と通過するでしょう。前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の非常に不安定な状態が続き、連休明けの明日12日(火)にかけて東北から九州では警報級の大雨のおそれがあります。
この先予想される雨の降る量はいずれも多い所で以下の通りです。
▼11日(月・祝)12時から12日(火)12時まで
東北地方 80ミリ
関東甲信地方 150ミリ
北陸地方 120ミリ
東海地方 200ミリ
近畿地方 150ミリ
中国地方 120ミリ
四国地方 150ミリ
九州北部地方 200ミリ
九州南部 60ミリ
▼12日(火)12時から13日(水)12時まで
北陸地方 100ミリ
これまでの記録的な大雨により、地盤が緩んでいる所や増水している川があり、土砂災害や洪水災害の危険度が高まりやすい状況となっています。川の上流で降った雨がこの先下流に流れ込み、水位が上昇する可能性もあります。
また、線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあり、今後も大雨・洪水警報や大雨特別警報の発表される地域が拡大するかもしれません。
低い土地の浸水、川の増水や氾濫に最大級の警戒をし、土砂災害に厳重に警戒してください。
大雨の原因は停滞する前線や低気圧と“梅雨末期レベル”の暖かく湿った空気
西日本日本海側から東北地方には前線が停滞していて、この前線や前線上の低気圧に向かって、梅雨末期と同じようなレベルの暖かく湿った空気が流れ込んでいます。
さらに日本の南海上には台風11号があって西へ進んでいます。この台風は日本の南を発達しながら西よりに進み、明日12日(火)から13日(水)にかけて強い勢力で沖縄県の先島諸島に近づくおそれがあります。
“太平洋高気圧の縁を回って流れ込む暖かく湿った空気”や“台風由来の暖かく湿った空気”が流れ込むことで、前線の活動が活発化し、低気圧周辺でも雨雲が発達しています。この気圧配置は今週前半にかけて続くでしょう。
お盆期間中で帰省している方やお出かけを予定している方も多いと思いますが、新幹線や飛行機などの交通網にすでに影響が出ていて、今後も影響が長引く可能性があります。家を出る前に最新の気象情報や交通情報を確認し、無理をせずに予定を柔軟に変更するようにしてください。