【気象予報士が解説】山口県と九州北部で『線状降水帯』発生予測!いま見直したい対策は?

今夜以降は九州北部で線状降水帯のリスクが高まる


本州付近に停滞する前線は今夜にかけて北上し、前線上には新たに低気圧が発生するでしょう。この前線に向かって、梅雨末期に流れ込むような非常に暖かく湿った空気が流れ込み、上空には寒気が流れ込んでいるため、大気の非常に不安定な状態が続くでしょう。
今日9日(土)の午前中時点では、雨の中心は中国・四国や九州ですが、明日10日(日)にかけて雨の範囲はしだいに広がり、東北から九州は広く警報級の大雨となる予想です。特に、今夜以降から明日夜のはじめ頃にかけては、山口県と福岡県、佐賀県、長崎県で線状降水帯が発生し、災害発生のリスクが一段と高まる可能性があります。

いつどこで警戒が必要?

東北から九州では、雷を伴い激しい雨や1時間50ミリの非常に激しい雨が予想され、滝のような大雨となる所があるでしょう。予想される雨の降る量は、いずれも多い所で以下の通りです。
非常に激しい雨
【9日(土)12時から10日(日)12時までの24時間】
近畿地方   100ミリ
中国地方   100ミリ
九州北部地方 250ミリ
【そのあと10日(日)12時から11日(月)12時までの24時間】
北陸地方   80ミリ
近畿地方   200ミリ
中国地方   120ミリ
九州北部地方 200ミリ
九州南部   150ミリ
【そのあと11日(月)12時から12日(火)12時までの24時間】
北陸地方   100ミリ
近畿地方   120ミリ
中国地方   80ミリ
九州北部地方 150ミリ
今夜から明日夜のはじめ頃にかけては、山口県と福岡県、佐賀県、長崎県で線状降水帯が発生し、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
すでに記録的な大雨となっている九州では、山の日のあさって11日(月)にかけて土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水や川の増水・氾濫に警戒や注意をしてください。西日本を中心に東日本や東北も含め広い範囲で警報級の大雨が予想されますので、大雨に注意・警戒が必要です。
また、発達した雷雲の接近するサインに気づいたら、建物の中に移動し、安全を確保しましょう。

いま見直したい大雨対策とは?

お盆期間中となり帰省や旅行で普段とは異なる地域で過ごされている方も多いのではないでしょうか?大雨が予想される地域では、直前の対策を意識してみてください。
・ハザードマップや避難所を確認
ハザードマップ
いま一度ハザードマップを確認してください。特にふるさとに帰省をされている方は、この機会にご家族で避難所へのルートを確認することをおすすめします。避難所に向かう際は、崖や川など危険な場所がないか、危険な箇所がある場合は迂回路も一緒に検討しましょう。
・モバイルバッテリーの充電や水のくみ置きを
大雨や落雷によって停電が発生し、ライフラインに影響が出る可能性もあります。スマートフォンや充電器はなるべくフル充電し、水をくみおきし、停電や電線に備えましょう。
・大雨災害の危険が迫る場合は『垂直避難』を
垂直避難
避難は『水平避難』と『垂直避難』の2種類があり、今いる場所から近くの安全な場所に避難する『水平避難』のほかに、災害が発生している緊急時には『垂直避難』として、より高い安全な場所へ逃げる方法です。
川が氾濫したり、土砂が崩れ始めている場合に水平避難を始めると大変危険です。最終手段として『垂直避難』をするようにしてください。