7月7日(月)は七夕(たなばた)です。
このコラムでは、七夕がなぜ雨の多い7月なのか、過去10年の天気とともに気象予報士が解説していきます。
そもそも七夕伝説とは?
七夕には笹に短冊を飾ったり、星空を眺めたりする方が多いのではないでしょうか?そもそも七夕伝説とは、どんな伝説でしょうか?
七夕伝説は古代の中国で生まれました。織物をする女性・織女(しょくじょ)と、天の川の対岸で牛を飼っているまじめな青年・牽牛(けんぎゅう)が出会い結婚しました。結婚してから2人は毎日遊んで暮らしてしまい、仕事がはかどらなくなってしまいました。これに怒った織女の父であり天空で一番えらい天帝(てんてい)は、2人を天の川の両岸に引き離しました。泣き暮らした2人でしたが、毎日まじめに働けば、年に1度、7月7日の夜に合わせてもらえると約束がされたのが伝説の始まりです。
七夕のときに短冊を飾るのは中国の行事「乞巧奠(きっこうでん)」に由来していると言われています。奈良時代には、日本に伝わったとされ、機織り(はたおり)だけではなく、裁縫の上達を願ったりしました。
七夕の日に星空を眺めるのは、織女=織姫星(おりひめぼし)、牽牛=彦星(ひこぼし)で天の川の伝説があるためです。
なぜ雨の多い7月を選んだ?旧暦だと8月に
今年2025年は例年よりもかなり早い梅雨明けとなっていますが、例年だと梅雨真っ只中の7月7日になぜ天の川を渡る伝説があるのでしょうか?もともとは旧暦の8月頃に相当します。8月は例年であれば夏の高気圧に覆われる時期で、全国的に晴れる日が多くなり、納得ですね!
現在も伝統的七夕の8月に合わせて、七夕祭りを開催するところもあり、仙台の街中を飾りが彩る「仙台七夕まつり」は東北を代表する夏祭りの一つです。
過去10年の天気を振り返る!今年2025年の天気は?
ここからは、過去10年(2015年~2024年)の七夕の晴れた確率=晴天率を振り返ってみます。
晴れていれば天の川が見えやすく、くもりや雨だと見えにくいと考えられます。晴天率が高いのは、梅雨のない北海道と例年だと6月中に梅雨明けする那覇。晴天率は50%で、2年に1度の割合で天の川を観察できる計算になります。梅雨真っ只中の東京や大阪も晴れる確率が30%程度と意外と高くなっていますが、福岡は10%にとどまっています。逆に雨天率(雨の降る確率)は大阪や福岡で30%と高く、西日本ほど雨で天の川が見られない年が多いようです。
ただ、2022年以降ここ3年は雨のエリアが少なく、くもりの地域でも雲の隙間から天の川を見ることができたかもしれません。見られない場合も旧暦の8月頃に観察してみましょう!
<参考>
・気象庁「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php