明日から月がかわって7月に突入します。
例年では、上旬は梅雨末期で大雨となることがありますが、中旬頃からは梅雨明けをして、いよいよ夏を迎えます。世界各国の天気はどうなのでしょうか。
世界5か国語の7月の名前の由来とともに、それぞれの特徴的な天気についても気象予報士が解説します。
和名では「文月」
旧暦では和風月名という月の和名があり、7月は文月(読み方:ふみづき、ふづき)といいます。名前の由来は諸説ありますが、稲の穂が実る月・穂含月(ほふみづき)であることや、七夕の夜に書物を開いて書の上達を祈る・文披月(ふみひろげづき)であることが語源だといわれています。
日本列島は縦方向に長いため、7月の天気の特徴も地域によって大きく異なります。
北日本の札幌は、晴れたりくもったりで、平年の月降水量は90.7mmです。平年の月平均気温は21.1℃で、下旬になるにつれて気温は上昇し、最高気温は25℃を超えるようになります。比較的カラッとしていて、本州と比べると過ごしやすくなります。
東日本の東京は、前半は梅雨空が続きますが、平年では7月19日頃に関東甲信で梅雨明けとなります。平年の月降水量は156.2mmとなっています。梅雨明け十日といい、梅雨明けした直後は安定した晴天となりやすい傾向があります。平年の月平均気温は25.7℃で、昼間は30℃を超えることがほとんどで、梅雨明け直後は特に熱中症のリスクが高くなります。
西日本の福岡は、前半は梅雨末期の大雨となりやすく、平年の月降水量は300mmぐらいで、災害に注意が必要です。九州北部の梅雨明けは平年では7月19日頃です。平年の月平均気温は27.4℃で、下旬になるにつれて気温がグングン上昇します。最高気温は30℃を超えことが多く、猛暑日となることもしばしばあり、熱中症に注意が必要です。
韓国語では「칠월」
韓国語の7月は「칠월(チルウォル・チロル)」です。「칠(チル)」は数字の7で、「월(ウォル)」が月を表します。
韓国(ソウル)の7月の天気は、梅雨時期のため雨が降りやすく、平年の月降水量は414.5mmと一年で最も多くなり、浸水などの災害に注意が必要です。平年の月平均気温は25.3℃で、最高気温は30℃を超えることがほとんどで、湿度が高く、かなり蒸し暑く感じられます。
中国語では「七月」
中国語では「七月」で、日本の漢字と同じですが、馴染みがないと読み方が難しいかもしれません。北京語では「qīyuè(チー ユエ)」、広東語では「chat1yut6(チャッ ユッ)」です。
中国(北京)の7月の天気は、晴れて日差しが照り付けますが、急な雨や雷雨があり、平年の月降水量は170.6mmと一年で最も多くなります。平年の月平均気温は27.2℃で、最高気温は35℃前後と一年で最も暑くなります。湿度は低いため、日本と比べると比較的過ごしやすいものの、熱中症に注意が必要です。
タイ語では「กรกฎาคม」
タイ語の7月は一般的には「กรกฎาคม(ガラガダーコム)」といい、省略して書く場合は「ก.ค.」となります。インド占星術の 巨蟹宮(かに座)が語源となっていて、また31日までの月は最後が「คม(コム)」です。
タイ(バンコク)の7月の天気は、雨季のため1日に何度もスコールがあります。月の降水量は182.9mmですが、年によっては平年の倍以上の雨が降ることもあります。平年の月平均気温は29.3℃で、最高気温は33℃ぐらいです。湿度が高く、不快な蒸し暑さとなります。
英語では「July」
英語では7月は「July(ジュライ)」といい、省略して書く場合は「Jul.」となります。名前の由来は「Julius Caesar(ジュリアス・シーザー ※ユリウス・カエサル)」というローマの英雄です。
英語はイギリスとアメリカがメジャーですが、ここではアメリカ(ニューヨーク)をピックアップして7月の天気をみていきましょう。
アメリカ(ニューヨーク)は、晴れて日差しが照り付けますが、一年を通して一定の降水量があるため、7月も月降水量は107.3mmとなっています。平年の月平均気温は26.0℃で、最高気温は30℃ぐらいとなり、猛暑日となることもあります。アスファルトの地面の照り返しで体感温度はさらに上がります。
フランス語では「Juillet」
フランス語の7月は「Juillet(ジュウィエ)」です。由来は英語と同じです。
フランス(パリ)の7月の天気は、晴れることがほとんどですが、月降水量は53.1mmで雨がぱらつくことがあります。平年の月平均気温は20.4℃と一年で最も高く、最高気温は25℃前後となり、30℃を超えることもあります。湿度が低く、カラッとした暑さとなります。
世界5か国語の月の名前の由来や天気の特徴については、こちらのページで紹介していきます。
<参考・引用>
・気象庁 「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php
・気象庁 「世界の天候」
https://www.data.jma.go.jp/cpd/monitor/index.html