親子で学ぶ!雨の日に話したい子ども との会話ネタ

雨の日の子どもたちは外遊びができないなど行動が制限されてしまいがちですが、梅雨だからこそ出会える生き物や発見できる自然現象など、自然科学への興味や関心を広げる絶好の機会となっています。
このコラムでは雨の日ならではの子どもとの会話ネタや実験を紹介します!

カタツムリは歯の数が世界一?コンクリートを食べる?

コンクリートを食べるカタツムリ

雨の季節はカタツムリが親子の話題に登場することが、しばしばあるのではないでしょうか。
カタツムリの生態は個性的で、知ったら忘れられないような話題ばかりです!

カタツムリは何の仲間?

カタツムリは陸に生息する巻貝の一種で、広く見るとタコやイカと同じ軟体動物に分類されます。
また、ナメクジも巻貝の仲間で、カタツムリと同じ腹足類です。カタツムリとは、殻を持っていないことで区別されます。
ちなみに、ヤドカリは貝を背負っていますが、貝の仲間ではなくカニやエビと同じ甲殻類です。

雨の日にカタツムリを見かけるのはなぜ?

カタツムリを雨の日に見かけるのは、乾いた空気が苦手で湿気の多いジメジメした空気が好きだからです。
普段は、鳥に食べられたり体が乾かないように木の葉の裏に隠れたり、土の中へ潜っています。
雨が降ったり夜になると、葉の表に出てきて移動したり植物を食べたりしています。

カタツムリって歯があるの?実は歯の数世界一!

カタツムリは、約1~2万本の歯を持つといわれ、世界で最も歯の多い生き物です。
カタツムリの口の中には「歯舌(しぜつ)」とよばれる、大根おろしの歯に似た小さな歯が口の奥に向かって規則正しくびっしり並んで生えています。
この歯を使って葉っぱの表面などの食べ物を削り取るように食べています。

カタツムリはコンクリートを食べる?

雨の日にカタツムリがコンクリートの壁をはっているのを見かけたことがあるかもしれません。
カタツムリは、キュウリやキャベツなど柔らかい葉っぱを食べるほか、実はコンクリートも食べるんです。
カタツムリの殻は炭酸カルシウムでできていて、成長とともに殻も一緒に大きくなります。
このため、カルシウムを常に必要としています。
コンクリートの表面には炭酸カルシウムが含まれていて、雨の日は表面にカルシウムが溶け出しやすいため、カタツムリが食べに出てくるのです。

アジサイは、土の性質で色が変わる?

あじさい

街中でよく見かけるアジサイの花の色は、青色が多くはないでしょうか?
青色と赤色などアジサイの色を決めるのは土のpH(酸性なのかアルカリ性なのかを表す尺度)によって決まります。
「酸性(すっぱい味)」の土の場合は青い花になりやすいです。
日本は火山灰の影響で、ややの土壌が多くなっています。また、近年の雨は酸性雨とも呼ばれ、酸性の雨によって土が酸性化しているため、アジサイは青くなっていることが多いです。
一方、「アルカリ性(にがい味)」の土の場合は赤い花になることが多いです。
青いアジサイを赤く変化させるには、土に卵の殻をまいたり、アジサイの花を赤くする土がホームセンターなどに売っていますので、試してみても良いかもしれません。

【実験】アジサイゼリーを作ろう!

アジサイゼリー

アジサイの花の話は少し難しいかもしれませんが、紫キャベツでアジサイゼリーを作って、花の色が変化することを美味しく楽しく実験することができます!

材料

・紫キャベツ 50g
・水 300ml
・砂糖 30g
・粉ゼラチン 10g
・水(ゼラチンをふやかす用) 大さじ3
・食品用重曹 ひとつまみ
・レモン汁 10滴

トッピング
・ミント 適量
・アラザン 適量

作り方

  1.  紫キャベツを千切りにし、よくもみます。ゼラチンに水を加えてふやかします。
  2.  鍋に水と1の紫キャベツを入れて、中火で加熱します。沸騰してから1分ほどゆで、色が出てきたら火からおろします。
  3.  2をザルでこし、砂糖と1のゼラチンを加えます。
  4.  3を3等分してバットに流し、一つに重曹を、もう一つにレモン汁を3滴、残りの一つにレモン汁を7滴、混ぜ合わせます。
  5.  粗熱をとりそれぞれ冷蔵庫で1時間程度、固まるまで冷やします。
  6.  ゼリーが固まったら、ナイフで正方形にカットします。
  7.  ゼリーをカップに盛り付け、ミントやアラザンで飾り付けをして完成です。

この時に紫キャベツ液の温度が低すぎるとゼラチンがとけにくく、沸騰中にゼラチンを入れると冷蔵庫で固まりにくくなってしまいます。
火からおろして粗熱がとれたらゼラチンを入れましょう。

解説
紫キャベツにもアントシアニンが含まれていて、レモン汁(酸性)を混ぜると赤色に変化します。
レモン汁は多いほど赤色が鮮やかになります。
一方、重曹(アルカリ性)を入れると青色に変化します。

いかがでしたでしょうか。
ぜひ、お子さまと話したり一緒に作ったりして、雨の日を楽しんでくださいね。