台風2号が発生し小笠原近海を北上!今後は再び熱帯低気圧となって梅雨前線と一体化か?大雨などの影響を気象予報士が解説

台風2号が発生!今月に入って2つ目の台風に

今日23日(月)午前9時に、小笠原近海で台風2号(セーパット)が発生しました。6月11日(水)に発生した台風1号(ウーティップ)に続いて、今月2つ目の台風となります。
この台風は小笠原近海を北上しますが勢力が持続せず、明後日25日(水)には八丈島の南海上で熱帯低気圧に変わる予想となっています。熱帯低気圧へ変わった後も北上を続けて、本州付近に停滞する梅雨前線と一体化する可能性があり、また接近前から台風や熱帯低気圧由来の暖かく湿った空気が流れ込むため、前線の活動が活発化するでしょう。

台風の熱帯低気圧化とは?温帯低気圧とは何が違う?

熱帯低気圧とは、熱帯や亜熱帯の海域で発生した低気圧のことで、熱帯低気圧が発達して中心付近の風速が17.2m/s以上になったものが『台風』です。熱帯低気圧や台風のエネルギー源は、海面から供給される水蒸気で、海面水温が高いほど台風は発達しやすく、26.5℃以上で発生し、28℃以上あると発達するといわれています。台風から熱帯低気圧に変わると油断してしまう方もいますが、前述のように中心付近の風速が変わっただけで構造自体の変化はありません。熱帯低気圧になった後も再発達して台風が復活することもあります。
一方、温帯低気圧と台風では構造やエネルギー源が変わります。温帯低気圧は、進行方向前側に南からの暖かい空気が流れ込み、低気圧の進行方向後面には北からの冷たい空気が運び込まれることで発達し、前線を伴っています。台風から温帯低気圧になった後も大雨や暴風をもたらす可能性があります。

台風や熱帯低気圧の接近前から大雨に?梅雨前線が活発化する原因とは

前線が停滞している時に台風や熱帯低気圧が接近すると、接近前から暖かく湿った空気が流れ込んで前線の活動が活発化し、大雨となる可能性があります。
過去には『前線+台風』のパターンで大雨となったことが多々あります。昨年2024年は5月25日に台風1号が発生し、5月27日から28日にかけて本州付近に停滞する前線が活発化しました。九州南部から東海では線状降水帯発生の可能性が高まり、高知県大栃(おおどち)では1時間に80ミリを超える猛烈な雨が降りました。
台風や熱帯低気圧本体から離れていても、早めの備えが大切です。

大雨や強風に備えるポイントとは

・大雨への備え

ハザードマップ

まずは、ハザードマップでお住まいの地域の浸水のリスクを知りましょう。内水氾濫のハザードマップがない地域は、洪水のハザードマップや過去の浸水被害を確認してみてください。自宅や会社、学校などの周辺はもちろん、避難場所や避難経路もあわせて調べるようにしましょう。
また、自宅前の道路の雨水ますに落ち葉やゴミが溜まっていると、水が流れ込みづらくなります。定期的に掃除をするとよいでしょう。大雨が予想される場合は土のうを設置することで、自宅内へ雨水が流れ込むことを軽減することができます。土のう袋はホームセンターなどで購入することができます。若干強度は落ちますが、土砂の代わりに水を入れた水のうであれば、比較的簡単に準備することが可能です。

・強風への備え

強風対策

出典:政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201304/2.html

最大瞬間風速が30m/s以上と予想される場合は、車を通常の速度で運転するのが困難になったり、看板が落下・飛散したり、倒木や家屋が倒壊したりするおそれがあります。事前に飛ばされやすい物を屋内にしまいましょう。また、電柱が倒れて停電となる可能性もありますので、事前にスマートフォンやモバイルバッテリーの充電を満タンにし、懐中電灯の準備もしておきましょう。