この土日は春を通り越し初夏の陽気が予想される所もありますが、来週は春に特に注意したい『黄砂』の飛来が来週は予想されています。
このコラムでは、黄砂が日本に飛来するメカニズムや今回のピーク時期、注意点を気象予報士が解説します。
黄砂のメカニズムとは?春が年間で最も多い!
今日22日(土)は関東から沖縄は広く晴れていて、中国大陸付近に中心を持つ高気圧に覆われていることが理由です。
ひまわりの衛星画像からも、中国とモンゴルの国境付近に広がる『ゴビ砂漠』をしっかりと確認することができます。
画像引用:環境省「黄砂ってなに?」
黄砂はゴビ砂漠などを起源として、強い上昇気流や乾燥により大量の砂が上空へ舞い上がります。上空の強い西風である『偏西風』によって舞い上げられた砂が東へ運ばれ、海を越え日本列島に到達し、自然に落下することがあれば、雨に混じって落下することもあります。
月別の黄砂の観測されたのべ日数の平年値を確認すると、春が最も多く観測されます。これは、ゴビ砂漠付近の積雪がとけることや、植物が十分に育っていないことが理由です。
春は最も多く黄砂が飛びやすくなりますので、最新の情報で確認する必要があります。
いつがピーク?移動の足に影響の可能性も
今回の黄砂のピークは25日(火)頃となりそうです。関東から九州にかけて広く黄砂の飛来が予想されます。詳細な週間予報はこちらからご確認ください。
春休みということで、旅行や引っ越しなど、計画をされている方もいるかもしれません。濃度の濃い黄砂によって視界不良となり、航空機の離着陸に影響が予想されると交通障害の発生する可能性があります。長距離の移動を予定されている方は、最新の交通情報を確認し、別の移動手段を検討するなど、対策を行ってください。
いま見直したい対策とは?
黄砂の飛来が予想されるいま対策はどのように進めたら良いでしょうか?ポイントをまとめてみました。
・体に取り込まない対策
基本的な対策は花粉症対策と似ています。外出の際はマスクやメガネなどでなるべくガードをするようにしましょう。上着や帽子を使い、肌を露出しないことも大切です。
また、気管支喘息等の呼吸器疾患を悪化させる可能性も指摘されていますので、持病がある方はなるべく外出しないなど、対策してください。
・洗濯物は室内干しがおすすめ
黄砂の飛来によって、特に白い洗濯物は汚れが目立つ可能性があります。飛来が予測されている場合はなるべく室内に洗濯物を干すようにしましょう。万が一、汚れがついてしまった場合は乾いてから手で払い落とし、洋服用のブラシで取り除くようにしてください。
・洗車はどのように行えば良い?
黄砂が車につくと黄色っぽくなり、気になる方も多いかと思います。黄砂が車についたままにしていると、車が傷ついたり、こびりつき落ちづらくなったり、時にはシミの原因となることがあります。
黄砂が付着する場合はまずは水で流すことが大切です。黄砂がついた状態で、布などを使ってこすってしまうと車が傷つく可能性があります。洗車は週1回程度が目安ですが、黄砂が飛ぶ場合はもう少し頻度を上げても良いでしょう。また、根本的には車のカバーをかけたり、屋内に駐車したりすることが有効ですが、コーティング剤などで黄砂をつきにくくする対策も良いでしょう。
<参考・画像引用>
・環境省「黄砂ってなに?」
https://www.env.go.jp/air/kousa/dss_01.html