【気象予報士が解説】今週末から気温が上がって来週は初夏の陽気か?関東~九州の桜開花は目前&スギ花粉飛散は最盛期に!

今日19日(水)は全国的に平年を下回る寒さとなり、午前中は東京都心でも大粒の雪が降るなど、冬らしい天気となっています。この先は春分の日を過ぎると全国的に平年を上回る暖かさが予想されていて、来週前半は初夏の陽気となりそうです。
このコラムでは、今後1週間の気温傾向や桜開花の見通し、花粉情報など、来週にかけてのトレンドを気象予報士が解説します。

今日午前中は東京都心でも大粒の雪!今季は最後か?

今日19日(水)午前中は、本州南岸を進む低気圧や上空の寒気の影響で、関東地方で雪が降り、東京都心でも大粒の雪が舞いました。午後は次第に雪や雨は止み、今夜は広く晴れる予想となっています。また、この先は晴れの天気が続き、気温もグッと高くなりますので、今回が東京都心では今季最後の雪となりそうです。

春分を過ぎると気温は一気に上昇!北陸・東海~沖縄は10年に一度の高温に

気温は明日20日(木)までは平年並か平年を下回る所もありますが、21日(金)以降はグッと高くなり、関東から九州は20度前後まで上がりそうです。来週前半は夏日一歩手前の暑さとなる所もあるでしょう。
今週17日(月)に高温に関する早期天候情報が発表され、北陸や東海から九州では23日(日)頃から、沖縄では24日(月)頃から10年に一度の高温が予想されています。多雪地では雪どけが進みますので、なだれや落雪などの融雪災害にご注意ください。

服装と気温の目安

また、春物の衣類の用意も進めましょう。昼間は軽めの服装で過ごせる日が増えますので、長袖のシャツや薄手のトップスがおすすめです。朝晩はヒンヤリしますので、羽織る物で調整しましょう。

暖かさで桜のつぼみが膨らむ!東京都心などは今週末に開花か?

桜の開花に①秋から冬にかけての一定の寒さと②春の気温上昇が重要です。
秋から冬にかけての寒さは桜のつぼみが目を覚ますのに大切です。「休眠打破」といわれ、メイヨシノの場合は10月以降、8℃以下の寒さに約800~1,000時間さらされる必要があります。
休眠打破が十分に行われた後は、春の気温上昇によってつぼみが生長します。桜の開花日を簡単に算出する方法として「桜開花600℃の法則」というものがあります。この600℃は、寒さから桜のつぼみが目覚める「休眠打破」を2月1日として、2月1日以降の最高気温を一日ずつ足していって600℃に到達するとおおむね開花日になるという法則です。

東京都心を例に2021~2024年の積算温度を確認してみると、2021~2023年は600℃に到達した日にちの前後1日程度で、都心では桜の開花宣言がありました。2024年は開花が遅く、600℃に到達してから11日もかかっていますが、この原因は秋から冬にかけての寒さ・春の暖かさのどちらも不足したことが考えらえます。
2025年の昨日3月18日(火)までの積算気温は581.7℃となっていて、600℃まではまもなくです。明後日20日(金)以降は気温がトーンアップしますので、今週末には桜開花の発表があるかもしれません。
なお、ライフビジネスウェザーの予想する最新の桜開花・見頃予想は、明日20日(木)に発表予定です。ぜひお花見の計画を立てる参考にしてください。

暖かさで花粉は大量飛散!東・西日本のスギ花粉は最盛期に

花粉症の予防方法

スギ花粉の飛散が最盛期を迎えていますが、今週末からの気温上昇によって花粉の飛散量が増え、来週にかけて東北から九州で非常に多く飛ぶでしょう。
花粉症の方は、最大限の対策をしてください。なるべく花粉を身体の中に取り込まないことが一番の予防方法です!外出する時・外から帰ってきた時・家事をする時の3つのシチュエーションごとに、予防のポイントを見ていきましょう。

①外出する時
鼻や目に花粉が付かないよう、顔にフィットするマスクや眼鏡をつけましょう。つば付きの少し深めの帽子も、花粉予防に効果があります。また、花粉が付かないようにアウターの素材は、ツルツルしたものを選ぶと良いでしょう。静電気防止スプレーや花粉の吸着をガードしてくれるスプレーをしておくと、より効果的です。

②外から帰ってきた時
部屋に入る前に、服に付いた花粉を払い落しましょう。肩や腕の部分だけでなく、静電気が発生しやすい鞄とこすれる部分や、コートの裾、ズボンのふくらはぎ部分などもしっかり払うようにして下さい。さらに、粘着ローラーを使うと、より室内に入り込む花粉量を少なくすることができます。
その後、手洗い・うがい、可能であれば洗顔までしてしまいましょう!

③家事をする時
洗濯物は出来るだけ室内干しにしましょう。布団も、なるべく外干しは控え、外に干した場合は、掃除機をかけることで布団に付いた花粉量を減らす事ができます。
掃除機をかける際は、室内に溜まった花粉が舞い上がりやすいため、手早く行います!できれば、掃除機をかける前に、濡れ雑巾やお掃除シートなどで拭き掃除をしておくと、舞い上がる花粉量を減らすことができます。部屋の角やフローリングの溝には花粉が溜まりやすいため、念入りに行いましょう。さらに、カーペットやソファー、カーテンも、繊維に花粉がからまりやすいため、花粉シーズンは掃除機掛けがおすすめです。