12月に入ってから冬型が続き、東京都心では乾いた冬晴れとなっています。突然の寒さや乾燥で体調を崩しやすい時期になりますが、明日は関東の天気は変わり目を迎えそうです。
気象予報士が関東で雪を降らせる可能性がある『南岸低気圧』について詳しく解説します。
明日は南岸低気圧が通過!関東で雪の降る3つの条件とは?
明日13日(金)は冬型の気圧配置がゆるみ、低気圧が発生しそうです。本州付近を挟むように2つの低気圧が通過する見込みで、このうち本州の南岸を通る低気圧のコースに注目です。
関東に雪をもたらす『南岸低気圧』ですが、一般に雪をもたらす条件は3つあるといわれています。
①関東の南の伊豆諸島の「八丈島」の南側を通る
②関東に雪雲がかかってくる
③東京を含む関東地方で北風が吹く
関東の明日の雪エリアは?
私たち「気象予報士泣かせ」ともいわれるほど南岸低気圧の雪の予想。
明日は①八丈島付近を低気圧が通過する条件は当てはまりそうですが、③雨の降り出す午後は南風に変わる予想で、②上空に流れ込む強い寒気も北上しそうです。このため、現段階の予想では、関東の沿岸部で明日夜は雨が降りますが、平野部はにわか雨程度で、雪が混じるのは東京都多摩西部や神奈川県箱根など標高の高い地域と限定的となりそうです。
ただ、雨雲の広がる範囲には予想の誤差がまだ大きく、明日日中の最高気温は都心で10度ぐらいまで上がる予想ですが、気温が予想よりも上がらない場合は、予報が大きく変わる可能性もあります。明日夜に車で移動を予定されている方は、最新の予報と交通情報を確認するようにしてください。
12月に入ってから今日12日(木)まで都心では0.5mm以上の降水が観測されず、乾燥した晴天が続いています。空気を少し潤してくれるような雨になりそうです。
いま見直したい雪対策3選
明日は、いまのところ都心を含む関東平野部は雨が降ったとしても短い時間で推移する見込みではありますが、年末年始は最大9連休となり、帰省や旅行など長距離の移動を計画されている方も多いのではないでしょうか?雪への備えをいま一度見直しておきましょう。
①雪かき用のスコップを用意
関東の本格的な雪のシーズンは晩冬から春先に迎えます。シーズンを前に雪かき用のスコップが使えるかどうか確認をしておきましょう。雪の予想が出る場合は、ホームセンターなどでは品切れが発生し、購入できない場合もあります。また、雪かき用のスコップは重さを基準に選ぶことをおすすめします。プラスチック製のスコップは新雪であれば女性も使いやすくなっています。
②毛布や防寒グッズを用意
都心で降るような雪は重く湿った雪となる可能性が高く、電線や樹木の着雪によって停電の発生するケースもあります。電気ストーブやエアコンなどの暖房器具が使えなくても暖を取れるよう備えておきましょう。使い捨てタイプのカイロや毛布、湯たんぽのほか、カセットコンロ、スキーウェア、寝袋なども防寒グッズとして使えます。
③【車で外出】雪道装備の見直しを
関東から日本海側や甲信方面へ移動を予定されている方は、必ずスタッドレスタイヤやタイヤチェーンの準備をしましょう。大雪が予想される場合は「予防的通行止め」が発表され、高速道路が使えないケースもあります。また、「チェーン規制」が出される場合はスタッドレスタイヤだけでは走行できず、チェーンの装着が義務となります。長距離ドライブを予定されている方はチェーンの付け方なども含め一度備えを見直しましょう。
<そらくら関連コラム>
・もしもに備える!南岸低気圧の大雪とは?
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https://sorakura.jp/20240109201-2/