「土砂災害」という言葉を見たり、聞いたりしたことはありますか？
このコラムでは、親子で一緒に学べるよう土砂災害のしくみや対策をわかりやすく解説していきます！
土砂災害とはなに？
災害には地震や津波など色々な種類がありますが、土砂災害とは、どのような災害なのでしょうか？
「土砂災害」とは、がけや斜面が崩れることで、大切な人の命が奪われたり、おうちがつぶれしまったりすることがある現象です。
土砂災害は、大きく3種類に分けられ①がけ崩れ、②土石流、③地すべりがあります。
①がけ崩れ
急な斜面が崩れ落ちる現象です。
大雨が地面にしみこんだり、地震の揺れなどによって発生し、崩れる速度が速いことが特徴です。
②土石流
大量の水と土砂が一緒に崩れる現象です。
大雨が原因となることが多く、土や石、砂などの土砂が水と一緒に山や谷をかけくだります。
こちらもスピードが速く、広い範囲で起きるため、大きな被害をもたらします。
③地すべり
ゆるやかな斜面で地面が動く現象です。
雨や雪がとけた水がしみこむことで、広い範囲の地面がすべり落ちます。
ふつうは目に見えないような、ゆっくりとした速度で起きることが多いですが、一気に動くこともあります。数十年も動き続ける場合や、地震などがきっかけで突然起きる場合もあります。
災害発生前の備えや対策のポイント3つ
全国で発生する土砂災害の回数は、増えていく傾向があり、2013～2022年の10年間に発生した土砂災害の件数を平均化すると、1年間に1,500件近くに達しています。
がけ崩れが、全体の半分以上となっていて、雨の季節を前に備えや対策をご家族で見直してみましょう！いつもの生活から備えておきたい土砂災害から身を守るポイントは大きく3つです。
①住んでいる場所が「土砂災害警戒区域」かどうかを確認
まずは、住んでいる地域が「土砂災害警戒区域」かどうか確認しましょう。
都道府県のサイトや国土交通省の「重ねるハザードマップ」からもチェックできます。
②ハザードマップで避難所とルートをチェック
危険な場所から逃げるルートを考えるうえで、市町村ごとにみられる「ハザードマップ」も参考にしましょう。近い避難所でも斜面のわきを通るルートになる場合は、少し離れていても安全に移動できる避難所も検討してみてください。
小雨の日に避難所までのルートを確認すると、大きな水たまりで通りにくい道があるなど、気づきがあるかもしれません。
③大雨のときに出される情報を知る
大雨が予想されると、さまざま情報が発表されます。たくさんの情報があるため、言葉を整理しておくとよいでしょう。そらくらでは、こちらのページでまとめていますので、大人と一緒にチェックをしてみてください。
ポイントは「土砂災害警戒区域」などがあるレベル4までに必ず避難することです。
警報が発表される場合に準備を始めるなど、ご家族で避難までの流れを確認しておきましょう。
～直前に起こりやすい現象～
・がけ崩れ
がけにひび割れができる、小石が落ちてくる、がけから水が出る、地鳴りがするなど斜面に異常が見られるなどがあります。
また、湧き水が止まったり、にごったりすることがあります。
・土石流
山鳴りや腐った土のにおいがしたり、木が割けたり、石がぶつかり合ったりする音が聞こえることがあります。
また、川の水が濁り、流木が混ざったり、雨が続いているのに川の水位が下がるなどがあります。
・地すべり
地面がひび割れ、陥没する、樹木がかたむく、亀裂や段差が発生するなどの前触れがあります。
また、がけや斜面しゃめんから水が出たり、地鳴り・山鳴りが聞こえたり、井戸や沢の水が濁ったりするなどの現象が発生することもあります。
～「よこ避難」が難しい場合は「たて避難」を！～
早めに安全に移動できる場合は、避難所などに行く「よこ避難」をまずは、検討しましょう。
暗くて足元が見えにくい場合や、すでに災害が起き始めている緊急のときは、「たて避難」を行ってください。このとき1階よりも2階以上に、斜面から一番遠い部屋で過ごすようにしましょう。
＜参考＞
・東京都建設局「土砂災害とは」
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/river/dosha_saigai/map/kasenbu0084.html
・政府広報オンライン（閲覧日：2024年5月9日）
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201106/2.html
＜そらくら関連ページ＞
・いまの雨雲の様子をチェック
https://sorakura.jp/radar/
・かみなり雲ってどんな雲？夏の雲の種類について
https://sorakura.jp/20230720101-2/
