快適な湿度の目安は40%?60%?湿度が高いor低いときの対策を解説!

四季のある日本では、季節や地域によって、湿度が大きく変わります。たとえば、東京であれば相対湿度の年間平均は65%ぐらいですが、月平均では1~2月が50%ぐらいなのに対して、6~9月は75%前後まで上がり、冬は乾燥し、夏は蒸し暑くなる傾向があります。
このコラムでは、快適な湿度について解説し、湿度が高い場合・低い場合の対策をそれぞれご紹介します!

快適な湿度の目安は40~60%!

一般に、室内で快適に過ごせる湿度は40~60%といわれています。
ここでいう湿度とは「相対湿度」のことで、飽和水蒸気量(空気中に含むことのできる最大の水蒸気量)に対する実際の水蒸気の割合を表します。飽和水蒸気量は気温に左右され、同じ湿度でも夏は空気中の水分量が多く、冬は少なくなります。
湿度が80%を超えるような日は不快な蒸し暑さとなり、反対に湿度が25%を切るような日は空気が乾燥して喉に痛みが出ることもあります。また、1日の中でも時間によって湿度は大きく変化し、日中に下がりやすい傾向があります。

湿度は季節や時間でどれだけ違う?

月別平均相対湿度

札幌・東京・那覇の3都市で、月別の平年の相対湿度(1991-2020年)をみてみると、札幌では、平均の相対湿度が60%を下回る月はありません。冬型の気圧配置で雪が降るため、冬も湿度は下がりづらく、屋外では70%程度です。4月が最も湿度が低く、月平均で61%となっています。次に、東京では、12~3月にかけて月の平均湿度が50%台となり、反対に夏場は湿度が上がって7月をピークに高温多湿となっています。最後に、那覇は湿度が高い傾向があり、年間平均でみると3都市で最も高くなります。おおむね70%前後で、梅雨時期の6月は平均83%とかなり蒸し暑くなることが分かります。ただ、これらはあくまでも月平均で、一日の中でも湿度は大きく変わります。

ここからは、東京の2023年6月15日・12月17日を例に一日の湿度の変異をみていきましょう。
梅雨入りして間もない6月15日は1日の平均湿度が95%と高く、100%の時間もありますが、10~11時は80%近くまで下がり、この日の最低湿度は9時56分に78%となりました。一方、強い冬型の気圧配置となった12月17日は未明~明け方は60%近くまで上がった時間帯がありますが1日の平均湿度が36%と低く、さらに13時58分には20%まで湿度が下がっています。
このように、湿度は時間によって数十%も変わるため、快適な湿度を保つには対策が必要です。

湿度が高いときの対策とは?

湿度が高いとカビが繁殖しやすく、また熱中症のリスクも高まります。
今回は湿度を下げる方法を5つ紹介します!

① 除湿器やエアコンの除湿機能を使う
雨が続いたり、窓を開けて換気をするのが難しかったりする場合は、除湿器やエアコンの除湿機能を使い、湿度を管理しましょう。エアコンの中にホコリなどの汚れがあると、カビやすかったり、効きが悪くなったりし、嫌な臭いがすることもあります。定期的にフィルターの手入れや掃除をしてください。

② 部屋の空気を入れ替える
晴れた日を狙って、こまめにクローゼットや靴箱、浴室、リビングなど、部屋の中の空気を入れ替えましょう。空気の入れ替えは、部屋の対角線にある2か所の窓を1時間に5~10分程開けてください。風の入り口となる窓は数十cm、出口となる窓は大きく開けると効果的です。窓が1つしかない場合は、ドアを開けた上で扇風機やサーキュレーターを窓の外に向け、空気の流れを作るとよいでしょう。

③ クローゼットや靴箱は除湿剤を使う
クローゼットや靴箱などの狭いスペースは湿気がたまりやすくなります。晴れた日は空気を入れ替え、さらに除湿剤を入れたり、新聞紙を敷いたりし、カビ対策をしましょう。

④ お風呂上がりは換気を十分に行う
浴室は家の中でも特に湿気のたまりやすい場所です。カビの原因となりますので、お風呂上がりはしっかり換気をし、可能であれば換気扇は24時間回しましょう。短時間で換気を行うには、加えて窓を開けてください。

⑤ 洗濯物は部屋干しを避ける
雨の日が続くと、洗濯物を部屋干しする機会も増えてしまいますが、乾燥機を使うなど、なるべく部屋干しは避けましょう。もし部屋干しをする場合は、洗濯物を干す間隔をあけたり、“アーチ干し”にしたりして、早く乾くように工夫してみてください。

湿度が低いときの対策とは?

湿度の低い時期は、のどや肌が乾燥しがちで、感染症のリスクも高まります。
今回は湿度を上げる方法を5つ紹介します!

① 加湿器を使う
部屋のサイズにあった加湿器を使い、空気の乾燥を防ぎましょう。空気清浄機能付きのものであれば、花粉やウイルス対策効果もあります。

② 濡れたタオルを干す・洗濯物を部屋干しする
加湿器が用意できない場合は、濡れたタオルを干したり、洗濯物を部屋干ししたりすることでも、湿度を上げることができます。ただ、洗濯物に部屋干し特有の臭いがつくこともありますので、洗濯物を干す間隔を十分にとり、カビや雑菌の繁殖を防ぐようにしましょう。

③ 水を入れたコップや容器を置く
水を入れたコップや容器を部屋に置くだけでも、湿度を多少上げることができます。広範囲をカバーするのは難しいため、机の上など場所を選び、部分的な対策として行うとよいでしょう。

④ 霧吹きで水を部屋にまく・霧吹きでカーテンなどを軽く濡らす
霧吹きを部屋の空気にまいたり、軽くカーテンなどを濡らしたりすることでも湿度が上がります。壁や床は滑りやすくなったり、かけすぎるとカビの原因になったりしますので、ご注意ください。

⑤ お風呂上がりは浴室のドアを開けっぱなしにしておく
お風呂上がりは浴室のドアを開けておくと、こもった湯気で部屋の湿度を上げることができます。ただ、お風呂場近くの天井や壁などにカビが発生してしまう可能性もあるため、一か所に湿気がたまらないようにしましょう。

 

<参考>
・気象庁 過去の気象データ検索
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php