【2024年】しぶんぎ座流星群が見頃!今年は彗星にも注目!

お正月の夜空を飾る流星群「しぶんぎ座流星群」。流れ星に新年最初の願いを込めたいですね。
このコラムでは、しぶんぎ座流星群とその方角、そのほかの三大流星群の今年2024年の条件、今年一押しの天文現象について解説していきます!

「しぶんぎ座流星群」とは?方角も解説

「しぶんぎ座流星群」とは「ペルセウス座流星群」と「ふたご座流星群」と並ぶ三大流星群の一つです。年明けに出現し、1月3~4日頃にピークを迎えます。ピーク時間が数時間程度と短いため、昼間になるか夜になるか、年により出現の数にばらつきのある流星群です。
今年2024年のしぶんぎ座流星群は、明日4日18時頃にピークを迎えることに加え、深夜には明るい月がのぼってくるため、条件は悪いでしょう。ただ、それでも日が沈み、夜の早い時間であれば、1時間に数10個程度の流れ星は観測できる可能性がありますので、観測してみましょう!

国立天文台ホームページより引用

方角は、北東に流れ星の放射点があります。ひしゃくの形が特徴的な「北斗七星」を探し、北東を向いて、空の全体を眺めることをオススメします。
「しぶんぎ座」という名前がついていますが、「やぎ座」や「おおぐま座」のような88星座の中には「しぶんぎ座」という星座はありません。天体観測に使われた四分儀(しぶんぎ)をもとにフランスの天文学者ラランドが命名した星座名になります。現在の分類だと、うしかい座とりゅう座付近を放射点として流れますが、そのまま「しぶんぎ座流星群」という名前で親しまれています。

三大流星群の観測は好条件?

8月にピークを迎える「ペルセウス座流星群」と12月に極大を迎える「ふたご座流星群」。どちらも今年の条件を確認していきましょう!
①ペルセウス座流星群(条件:良)
毎年8月12~13日頃に極大を迎えます。今年2024年の極大は8月12日の23時頃に迎え、上弦の月が沈んでいくタイミングとなり、未明時間帯は観測に好条件でしょう。
条件が良ければ1時間に30~50個ほどの流星が見られそうです。
②ふたご座流星群(条件:悪)
毎年12月14~15日頃に出現のピークを迎え、年末最後の大きな天体イベントとなります。今年は12月14日10時頃に極大を迎え、ピークが午前中になることに加え、月齢14の満月近い月となるため、一晩中明るい状態が続き、条件としては良くないでしょう。月明かりを隠しながらの観測がおすすめです。

2024年一押しの天文現象!

今年2024年に筆者が個人的におすすめする天体現象は「彗星(すいせい)」です。

・紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
昨年2023年1月に発見されたばかりの彗星「紫金山(しきんざん)・アトラス彗星(C/2023 A3)」は今年秋に見頃を迎えると予想され、都会でも肉眼で観測できるのではと天文ファンから注目を集めています。
・彗星に注目の理由は予測が難しいこと!
彗星がファンの心をつかんで離さない理由は、その予測精度の難しさからです。彗星の中心は水(氷)を主成分とし、表面に砂が付いていて「汚れた雪だるま」とも呼ばれています。彗星が太陽に近づきすぎてしまうと、氷が蒸発してしまい尾が引かなくなってしまったり、バラバラに核が消滅してしまったり、予測が非常に難しくなっています。
・名前の付け方は?ハレー彗星は人名って知っている!?
彗星の名前は発見もしくは報告の早い順に3名まで付けることができます(一部例外もあります)。
1986年に出現した有名な「ハレー彗星」はイギリスの天文学者が名付け親で、1996年春に接近した「百武(ひゃくたけ)彗星」は鹿児島県のアマチュア天文家の百武裕司さんが命名し、日本人が付けた名前の彗星もあります。
近年では、観測チームの名前(パンスターズやアイソンなど)や発見した衛星(写真のネオワイズはアメリカ航空宇宙局NASAの広域赤外線探査衛星の名前)で名付けられることも多くなっています。今回の「紫金山」は中国の天文台で、「アトラス」は南アフリカの望遠鏡となっていて、ほぼ同時期に発見したことから付けられた名前です。

今年の流星群と注目の彗星について解説していきました。
天気予報をそらくらで確認し、夜空を眺めてみましょう!

<参考・引用>
・国立天文台「ほしぞら情報2024」
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/

・国立天文台「しぶんぎ座流星群が極大(2024年1月)」
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/01-topics02.html

・国立天文台「彗星とはどのような天体か」
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/comet.html

・すばる望遠鏡「マウナケアに昇るネオワイズ彗星」
https://subarutelescope.org/jp/news/topics/2020/07/08/2870.html