冬に入るとスーパーマーケットの店頭に牡蠣が並んでいるのを目にする方も多いのではないでしょうか。なぜこの時期に牡蠣は旬を迎えるのか、牡蠣の美味しい食べ方をご紹介します。
海のミルクと呼ばれる牡蠣の旬は冬!
冬に旬を迎えるのは真牡蠣と呼ばれる牡蠣で、東北の三陸海岸や広島県、岡山県で主に養殖されているものになります。牡蠣の水揚げは10月ごろ〜4月ごろまでの所が多く、寒い時ほど旨味が強まり、美味しくなります。牡蠣は夏に産卵を行うため、産卵のために身が栄養を蓄えて、ふっくら太って、味もとっても濃厚クリーミーになります。
また、逆に日本海側で広く獲れて、天然ものが多い岩牡蠣は6月~8月の夏が旬とされています。
豊富な栄養素が含まれている
牡蠣1個あたりでカロリーは約12kcalと言われており、比較的カロリーは低いものの、含まれる栄養は豊富です。たんぱく質は約1.3g、脂質は約0.3g、炭水化物は約0.9g含まれています。
さらに、ビタミン類や、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムなどのミネラルも豊富で、さまざまな栄養素が含まれているのが特徴です。
特に、たんぱく質やDNAを合成するために欠かせない亜鉛の含有量が多く、貧血などの症状にも効果的です。
牡蠣の美味しい食べ方
焼き牡蠣
七輪や魚焼きグリルなど網の上で焼くのがオススメですが、フライパンで焼く場合は、テフロンなどをかたい殻で傷つけてしまうので、アルミホイルを敷いたうえで焼くようにしましょう。
蓋をして加熱すると火の通りのムラを抑えることができます。
※旨みが逃げるので、カキの汁がこぼれないように注意しましょう。
生牡蠣
そのままレモン汁やポン酢、しょうゆなどをかけていただくだけ!
必ず新鮮で、生食用の牡蠣を購入しましょう。
牡蠣汁
牡蠣はザルに出し、洗浄用の塩を入れて、洗いましょう。
鍋に水を入れて沸かし、沸騰したら長ねぎや絹豆腐を入れて煮ます。
具材は牡蠣の味を邪魔しないようにシンプルにするのがオススメです。
長ねぎに火が通ったら牡蠣を入れ、しょうゆと塩で味をととのえ、牡蠣に軽く火が通れば完成です。
また、少し手間はかかりますが、カキフライも定番で美味しいですね!
注意しないと危ない!牡蠣のリスク
ノロウイルス
ウイルスを含む牡蠣などの二枚貝を生や十分加熱せずに食べた場合に感染します。
予防方法は、ウイルスを含んでいる牡蠣の身の中心部を85~90℃で90秒間以上加熱すれば、ウイルスの感染性はなくなるといわれています。
身体の抵抗力などにも依存するので、特に体調の悪いときは生で食べるのを控えましょう。
よくスーパーマーケットで見る生食用とは、保健所が指定した海域で獲れたものです。雑排水が流れ込む川の河口から離れた汚染のリスクが低いエリアなどを指定しています。水揚げ後も紫外線やオゾンで殺菌した海水を循環させ、牡蠣の身に濃縮されたウイルスを排出させたものになり、手間がかかっています。
牡蠣は食べる以外にも使われています
農作物や園芸用の肥料では、牡蠣の殻が肥料として再利用されています。塩抜きした貝殻を焼いたり乾燥させたりした後、土壌に混ざりやすいように細かく砕いた肥料です。100%天然素材に由来する有機石灰肥料として有効利用されています。
代表的な効果は次のようなものが挙げられます。
●土壌の酸度(pH)を調整する
アルカリ性の牡蠣殻は、酸性に傾きがちな土壌を中和させます。
●カルシウムなどのミネラル分を補う
マグネシウムやカルシウム、マンガンなど、牡蠣殻には作物の成長に必要不可欠な成分がたっぷりと含まれています。これらの成分が土壌に補給されることで、生育障害や病害虫の発生を防げるだけでなく、収量や食味の向上にも効果的です。
●土壌が硬くなるのを防ぐ
牡蠣殻の表面にあいた無数の細かい穴により、土壌の透水性や通気性が向上し、ふかふかの土壌をつくり出してくれます。
<参考>
農林水産省 ノロウイルス(ウイルス):
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/norovirus.html