季節はすっかり秋!筆者の秋はもっぱら「食欲の秋」です。今月は、10月の天気の特徴と、なぜ食欲の秋と言われるのか、秋に起こっている体の変化について解説していきます。
10月の天気の特徴
中国大陸方面から高気圧に覆われるようになり、日本列島に居座っていた秋雨前線が南へ下がりながら消えていきます。東北と東日本・西日本では晴天に恵まれる日が多く、湿度が低いため、カラッとした空気に包まれます。空気が乾燥しているため、春と比べると青空が澄んで、空が高く見えますね。
夜間に晴れると、放射冷却という現象によって、気温がグッと下がります。秋は朝晩の冷え込みに要注意です。東京の10月の気温の平年値を見てみると、例年では中旬には15℃を下回るようになり、薄手のコートやトレーナーが必要になります。
一方、北海道では、秋から冬へと季節の移行期間。雨の降る日も多く、場所によっては初雪の便りが届きます。朝晩は冷え込みが強まり、10月下旬には、セーターや厚手のコート、手袋など冬物が活躍する程の寒さに。
「食欲の秋」と言われるのはなぜ?
「食欲の秋」という言葉の由来は諸説ありますが、秋になるとおいしい食材・食べ物を食べる機会が多いから、という説が有名です。
秋に旬を迎える代表的な食材を種類ごとにまとめてみました。
これだけ豊富な食材が旬を迎えるため、食欲の秋と呼ばれるのも頷けますね。
食欲が増す理由は基礎代謝量の変化にあり!
ここからは、食欲が増加する理由について解説していきます。鍵を握っているのは「基礎代謝量の変化」です。
基礎代謝量とは、呼吸や臓器を動かすなど、私たちが生命を維持するために使用しているエネルギー量のことです。1日に消費する総エネルギー量の約60%を基礎代謝によって消費し、主に体温を維持するためのエネルギーとして使っています。
基礎代謝量は、季節変動をしていて、最も代謝量が落ちているのは10月、最も上がっているのは4月です。つまり、これから春先にかけて、どんどん代謝量が上がっていく時期と言えます。
この変化は気温と関係があるんです。気温が高い時期は、外気温と体温の温度差が少ないため、体温を維持するために使うエネルギー量は少なくて済みます。一方、気温が低くなると、外気温と体温の差が大きいため、体温を36℃前後に維持するためには、多くのエネルギーが必要になります。エネルギーをたくさん作り出すためには、多くのカロリーが必要なため、食欲が増す!という訳なんです。
身体が自然と冬に向けて「冬支度」を始めているサインとも言えますね。
食欲の秋だからこそ!お子さんと食べ物について考えよう
旬の食材が豊富な秋だからこそ、お子さんと食べ物について考えてみてはいかがでしょうか?
例えば、
・産地当てクイズ
・どうやって育つかクイズ
・どんな栄養素が含まれているか調べる
・食べると身体にどんな良いことがあるか調査
お子さんと一緒に本や図鑑、インターネットで調べたり、料理をしてみるのも良いですね。秋の味覚狩りやフルーツ狩りに行って、行楽の秋を満喫するのも、秋ならではでおすすめです。
この秋は、お子さんと一緒に「食欲&食育の秋」をしてみてはいかがですか?
さて、1年間全12回続いた当コラム「空と暮らす」は、今月で終了となります。読者の皆さま、どうもありがとうございました!
引き続き「そらくら」の中で、健康や美容・子育てなどママさん予報士ならではの記事を執筆していこうと思っておりますので、引き続きよろしくお願い致します。
<参考>
「イキイキ!食材図鑑」 西沢 宗治 監修者:佐藤 秀美
株式会社日本文芸社
島岡章他「基礎代謝の季節変動について」(日生 気 誌24(1):3-8,1987年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho1966/24/1/24_1_3/_pdf