2023年も熱い夏フェスのシーズンがやってきました!今週末の7月28日(金)~30(日)は、日本4大野外フェスの1つ、フジロックフェスティバルが開催されますね。フジロッカーのみなさん、準備は整いましたか?週末に向けて苗場の天気の特徴をおさらいし、大自然の中で音楽を楽しみましょう!
フジロックフェスティバルとは
日本のロック・フェスティバルの先駆けとなるフジロックフェスティバル(以下、フジロック)は、1997年に山梨県の富士天神山スキー場で開催されて以来、毎年夏に開催されている日本を代表する野外音楽フェスティバルです。
1997年の第1回は台風直撃の中で初日が開催され、ヘッドライナーのレッド・ホット・チリ・ペッパーズが機材を破壊して終了し、伝説のフジロックとも言われています。観客の雨・寒さ対策が不十分であったり、交通機関が麻痺してしまったりと、問題が多発しました。この1997年のときの台風9号は、四国東部に上陸したのち四国を横断し、熱帯低気圧に変わった後も北陸西部から東海に南下するという異例のコースを辿りました。7月24~29日の期間中、山梨県河口湖のアメダスでは112.0mmの雨が降り、26日夜には最大瞬間風速15.1m/sを観測しています。
※気象庁 「台風第9号 平成9年(1997年) 7月24日~7月29日」をもとに作成
第2回となる翌年の1998年は、東京都の豊洲で開催され、交通の便の問題は解消されたものの、観客が密集して危険な状態となりました。第3回目となる1999年以降は、会場を新潟県湯沢町の苗場スキー場に移し、今年2023年は26回目の開催です。
開催場所・苗場スキー場の天気の特徴
フジロックといえば、台風・大雨・悪天候で、例年SNSが盛り上がるイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。ここからは、フジロックが現在の開催地・苗場スキー場となった1999年以降の天気(※開催中止となった2020年を除く)を、新潟県・湯沢のアメダスから見ていきます。
但し、湯沢のアメダスは標高340m、スキー場に隣接する苗場プリンスホテルで標高約900m、さらに苗場スキー場内も標高差が最大で889mありますので、一般的に気温は3~9℃ほど下がり、局地的に雨雲が発生している可能性があります。
検証① 雨が多いって本当?
※気象庁データをもとに作成
フジロックは天気の荒れるイメージがありますが、湯沢のアメダスで日降水量を見ると、1999年以降の23回の開催年のうち7回は3日間通して日降水量の合計が0mmなんです。ここで言う降水量0mmとは、降水量がなかったか、あっても0.5mmに達しなかったという意味です。昨年2022年も3日間を通して天候に恵まれた年ですね。
一方、3日間雨が降っていたのは6回で、毎日雨というよりは1~2日降るイメージでしょう。1時間あたりの降水量で見ると、湯沢のアメダスで1時間10mm以上のザーザー降りや、1時間20mmを超える土砂降りとなったのは全日程のうちの16%です。2011年は「平成23年7月新潟・福島豪雨」といい、新潟県内で記録的な大雨となった年で、金曜日から土曜日にかけて苗場スキー場も土砂降りとなり、地面は沼地のようでした。また、大気の状態が不安定となる場合も雨量の増えることがあり、2013年は標高の高い苗場では、さらに雨量が増えていたのではないでしょうか。
フジロックの会場にいると、豪雨や雷鳴すら演出のようでかっこいいと思ったり、雨上がりの霧がかかったステージが幻想的に見えたりしますが、身の安全は確保しましょう。
検証② 台風の接近が多いって本当?
伝説の第1回目の印象が強いのと、この時期は日本の南海上で台風が発生しやすく、世間が台風のニュースに溢れている中で開催されるため、台風のイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。
実際に過去の開催年の半数以上で、日本近海に台風が発生していて、2015年には長崎県に、2018年と2019年は三重県に上陸しています。2018年は開催2日目の深夜から風が強まり、フジロックの会場内でもキャンプサイトのテントが倒壊するなどの被害がありました。3日目の7月29日午前中には湯沢のアメダスで最大瞬間風速16.2m/sを観測しています。
ただ、台風が発生した年でも、必ずしも新潟県の天気が悪いとは限りません。本州付近に夏の高気圧が張り出していれば、晴れることも多々あります。遠方から参戦する方は行き帰りの交通手段の確保にご注意ください。
検証③ 暑さが厳しいって本当?
※気象庁データをもとに作成
湯沢では晴れて気温が上がると、日中30℃を超え、猛暑日一歩手前となることもあります。特に、日本の南海上に台風があると、南風が流れ込み、フェーン現象で気温が上がりがちです。会場は標高が上がるので湯沢のアメダスより3~9℃ほど気温が下がるのと、地面がコンクリートでないため照り返しも抑えられますが、熱中症対策は必須です。
雨で気温の下がる年もあり、2014年は2日目と3日目の最高気温が、湯沢のアメダスで約9℃違います。夜も気温がガクッと下がるので、どんなに昼間が暑くても、軽く羽織れるものは必須です。
服装・持ち物リスト
<服装>
基本はTシャツ+短パン+レギンスがおすすめですが、ワンピースなどを着ておしゃれを楽しむのもありだと思います!レギンスは日焼けや虫刺され防止になったり、物によっては疲労を軽減したりする効果があります。そのほかは以下があると安心です。
・靴(トレッキングシューズなど)
・長靴(大雨の際は必要)
・レインウェア(耐水圧や透湿度に優れたもの)
・アウター(寒さ対策となる軽めの羽織物)
・帽子(ハットだと首の裏も守りやすい)
・サングラス(紫外線対策にあると◎)
・バック(リュックだと両手が空く)
<持ち物>
最低限のリストになりますので、キャンプ泊の方はほかにも必要なものが多々あります。
また、女性は肌ケアアイテムや化粧品などがあるとよいでしょう。
・チケット
・現金+電子マネー(使える決済サービスはこちら)
・保険証
・モバイルバッテリー
・日焼け止め
・虫よけ・虫刺され薬
・汗拭きシート
・熱中症対策グッズ(塩飴など)
・折りたたみの椅子(わりとマストアイテム!)
・防水グッズ(ジッパー付きの袋など)
・ウェットティッシュ
・着替え
・タオル
2023年のフジロックの天気は?
それでは2023年のフジロックの天気を見ていきましょう!
フィリピン近海は台風の発生しやすい状況が続き、沖縄は台風の影響を受ける可能性がありますが、本州付近は夏の高気圧の張り出しの強い状態が続きそうです。
苗場スキー場付近は、前夜祭の27日(木)から30日 (日)にかけてよく晴れて、強い日差しが照り付けるでしょう。一日を通して雨となる心配はなさそうですが、気温の上がる午後は大気の状態が不安定となり、急にザーッと雨が降ったり、雷雨となったりする可能性があり、フジロックらしい天気となりそうです。万全の熱中症対策に加えて、急変に備えて雨具をご用意ください。
熱中症対策については、こちらのコラムで紹介していますので参考にし、安心安全にフジロックを楽しみましょう!
<参考>
・フジロックフェスティバル公式サイト
https://www.fujirockfestival.com/
・気象庁 過去の気象データ検索
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
・気象庁 「台風第9号 平成9年(1997年) 7月24日~7月29日」
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/1997/19970724ty/19970724.html