ゴルフは生涯スポーツと言われ、幅広い年代の男女から支持されています。近年ではゴルフ場のプレー料金も徐々に下がって気軽に始めやすくなり、ゴルファーは増加しています。さらに、ここ数年はコロナ禍でも密を避けやすい屋外スポーツとして、さらに人気が高まりました。
このコラムでは、そんなゴルフと切っては切り離せない天気の関係に迫ります。
雨の日のゴルフの注意点や中止基準とは?
沖縄や奄美はすでに梅雨入りし、本州もまもなく雨のシーズンを迎えます。ゴルフは自然と闘うスポーツですが、雨の日のゴルフはテンションが下がってしまう方もいるのではないでしょうか。また、プライベートでの友人とのゴルフ以上に、接待でのゴルフの場合は、中止や延期を慎重に検討する必要もあります。
① プレーへの影響
雨は、飛距離に影響が出ると言われています。ボールに雨粒が当たれば質量が増え、また、地面が濡れているとランが出なくなります。一方で、アイアンの場合はスピンが減って、ボールが飛びすぎてしまうこともあるようです。さらに、レインウェアを着ることで動きづらさを感じたりと、動作面での影響が出ることも考えられます。
② 雨の日の服装や持ち物
一日を通して雨が降る場合は、プレー開始時からレインウェアをご着用ください。耐水圧(生地にしみこもうとする水の力を抑える性能)が10,000mm以上のものがあればベストです。また、透湿性(内側から外側へ水を逃がす性質)が8,000g以上あれば蒸れにくくなります。雨予報でもプレー開始時に降っていなければ、風通しのよい素材のゴルフウェアを選び、レインウェアはいつでも取り出せるようにしておくとよいでしょう。
加えて、レインキャップや予備のグローブ、防水スプレー、着替え、タオルなどの用意があると安心です。
③ 中止の基準やキャンセル料
プロゴルファーの場合は、フェアなプレーに支障をきたす場合は中止となりますが、アマチュアゴルファーには明確な中止の基準はありません。
雨であっても、自分都合でキャンセルする場合は、基本的にキャンセル料が発生します。キャンセル料のかからないゴルフ場もあるため、ゴルフ場の公式サイトなどで確認するとよいでしょう。キャンセル料はプレーの3~10日前ぐらいから発生することが多く、相場は一人2,000〜3,000円程度のようです。天気予報をこまめに確認し、キャンセルする場合は、早めに連絡をしましょう。
なお、荒天などでゴルフ場がクローズとなる場合は、キャンセル料はかかりません。
雨以外にゴルフの飛距離に影響のある気象条件とは?
ゴルフボールの飛距離には、気温や気圧、風などの気象条件も影響します。
「飛ばすため!曲げないため!クラブ&ボール本当の科学」(山口哲男・パーゴルフ新書)によると、ヘッドスピードが40m/sのゴルファーは、気温が0℃の時と36℃の時とでトータル10ヤード程度も飛距離が違うと言います。気圧は、標高が1,000m高くなると、約5ヤード飛ぶそうです。
さらに、風は最もプレーに影響の出る気象要素で、フォローの場合は飛距離が伸び、アゲンストの場合は飛距離が落ちます。前出の著書では、具体的にヘッドスピード40m/sのゴルファーがドライバーを打った場合、風速5m/sのアゲンストであれば約17ヤードも飛距離が落ち、反対に風速5m/sのフォローであれば約12ヤード伸びるとしています。
湿度は高い方が飛びますが、影響は大きくありません。
プレー中に雷が発生したらどうする?
ゴルフ場での雷は危険で、命を落とすこともあります。基本的にはゴルフ場側が中断の判断をしますが、万が一、プレー中に雷がピカッと光ったり、ゴロゴロと雷の音が聞こえたりしたら、プレーは即中止または中断してください。この時、ゴルフクラブを持ったままにしたり、木の近くやカートへ避難したりすることはNGです。可能であれば避雷小屋に避難し、近くにない場合は、バンカーなどの窪地でしゃがんで、低い体勢を取りましょう。
なお、事前に天気予報で「雷を伴う」や「大気の状態が不安定」というキーワードを見聞きした場合は、落雷や突風、ひょうなど、急変の可能性を意識しておくとよいでしょう。外出先で落雷の危険を知る情報としては「雷注意報」や「雷ナウキャスト」があります。雷注意報は、雷による被害の発生が予想される数時間前に発表されます。一方、雷ナウキャストは、雷の発生の有無に関わらず予測されるもので、雷の激しさを活動度1~4に分け、活動度2以上の場合は落雷の危険が高まっていることを表します。
ゴルフの前は、天気予報や注意報などを確認し、無理はせずに安心・安全にゴルフを楽しみましょう!
<引用・参考>
「飛ばすため!曲げないため!クラブ&ボール本当の科学」 山口哲男著 パーゴルフ新書