二十四節気「立夏」とは?暦の上では夏でも実際の天気はどうなの?

今日5月6日(土)は、二十四節気の「立夏(りっか)」で、暦の上では夏が始まります。とは言え、まだ夏を感じるには早いのではないでしょうか。
このコラムでは、5月と8月の天気を比較し、”暦の上”と”実際”の夏の違いを検証します!

二十四節気「立夏」とは

「立」は新しい季節の始まりを表し、立春・立夏・立秋・立冬をあわせて「四立(しりゅう)」といいます。立夏は夏の始まりで、立秋の前日までが、暦の上での夏です。
夏の始まりを表す言葉には、”初夏(しょか)”もあります。初夏は、旧暦で夏の始まりを指す言葉です。具体的には旧暦の4月ですので、現在の4月下旬から6月上旬頃です。

暦の上は夏でも実際は?5月と8月の天気を比較

5月は快適な陽気に加え、日差しがたっぷりの季節ですが、夏の始まりと言われると違和感を持つ方も多いのではないでしょうか。二十四節気は古代中国の黄河流域の季節に基づいているため、日本の季節に置き換えるとズレが感じられ、気象庁では6月から8月を夏としています。
ここからは東京・大阪の5月と8月の天気を比較し、”暦の上”と”実際”の夏の違いを見ていきましょう。

① 日照時間

東京の5月の日照時間の合計は8月と同じぐらいで、平年(1991-2020年)では1月に次いで1年で2番目に長くなります。大阪の5月の日照時間は約204時間で、8月の約222時間に次ぐ長さです。
日の出から日の入りまでの時間が最も長いのは6月の夏至の頃ですが、6月は梅雨時期のため、東京・大阪ともに月別の日照時間は長くありません。

② 紫外線量

2022年の東京・大阪の日最大UVインデックス(解析値)

上記のグラフは、昨年2022年の東京・大阪のUVインデックスの解析値(日最大)を月別に表したものです。UVインデックスとは紫外線の強さを指標化したものです。「中程度」や「強い」のランクは、日中は出来るだけ日陰を利用し、長袖や日焼け止め、帽子の利用を推奨しています。非常に強い以上になると、日中の外出はなるべく控えた方がよくなります。
5月の紫外線量は、天気にもよりますが6~8月と同じぐらいまで強まることもあるため、うっかり日焼けに注意が必要です。紫外線や日焼け対策については、こちらのコラムで詳しく紹介しています。

③ 最高気温

東京の5月上旬の最高気温は23℃前後で、これは10月中旬と同じくらいです。人間にとって最も過ごしやすい気温は22℃前後と言われ、この時期の日中はちょうどそのくらいの陽気になります。大阪の5月上旬の気温は、東京よりは高くなりますが、真夏と比べると10℃前後低くなります。
また、5月は夏に比べて湿度が低めです。体感温度(人間の肌が感じる温度)は、気温だけでなく、湿度や風速などが影響します。これらから5月は8月と比べて、過ごしやすい時期と言えるでしょう。

二十四節気とは

二十四節気は、日の長さをもとに1年を24等分した暦のことです。春夏秋冬の4つの季節に分かれ、さらにそれぞれを6つに分けています。「冬至・春分・夏至・秋分」と、それらの中間点にあたる「立春・立夏・立秋・立冬」のほかは、「大暑」「霜降」など、その季節の特徴的な現象を名に表しています。日にちは年によって数日変わることがあり、毎年2月に国立天文台暦計算室が発表する「暦要項」で、翌年の日にちが公表されます。
「立夏」の次は5月21日頃の「小満」。秋にまいた麦などの穂がつく頃です。

 

<参考>
・環境省 「2020年3月改正版紫外線環境保健マニュアル」
https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf
・気象庁 「UVインデックスとは」
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-50uvindex_manual.html
・気象庁 「過去の気象データ検索」
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php