天気図の見方を知ろう!等圧線や前線をわかりやすく解説

天気図記念日!

今日2月16日は「天気図記念日」です。1883年の今日、日本で最初に天気図が作られたことに由来しています。テレビなどの天気予報で見かける天気図は、私たち気象予報士が天気予報を組み立てるうえで必要不可欠となっています。天気図にはどのような種類があり、何が描かれているのでしょうか?季節ごとの天気図のポイントも交え、お伝えしていきます!

天気図の種類

テレビや新聞などで目にする天気図には、実は種類がたくさんあります。大きく分けると「実況図」と「予想図」があります。実況図はある時刻の気象状況を表した天気図なのに対して、予想図はコンピューターなどで計算を行い予想された気象状況を表しています。さらに専門的に解説していくと、天気図には地上付近の気象状況を表した「地上天気図」のほかに上空3,000m付近や5,500m付近などの上層の気象状況を表した「高層天気図」があります。一般的にテレビや新聞などで見かける天気図は、地上天気図が多く使われていますので、この先は地上天気図について詳しく解説していきます。

天気図の基本的な見方

天気図の見方を「そらくら」の天気予報でいつも使っている地上の天気図をもとに説明していきます。ここでは、一般的によく見かける地上天気図を使って見てみましょう。

■天気図に表示されているたくさんの線の正体
まず、天気図を見ると、白い線がたくさん引かれています。これは「等圧線」と呼ばれるもので、気圧の等しいところを結んだ線となっています。この等圧線ですが、線の間隔が狭くなるほどと、風が強く吹くようになります。

■「高」マークや「低」マークの意味
天気図には「高」や「低」というマークがあります。「高」マークは高気圧という意味で、周囲よりも気圧が高い部分を示しています。この高気圧に覆われると、基本的に晴れることが多くなります。逆に「低」マークは低気圧という意味で、周囲よりも気圧が低い部分を示しています。この低気圧が近づくと、天気は曇りや雨になることが多くなります。高気圧マークや低気圧の下には数値が書かれていますが、この数値が中心の気圧の値になります。

■低気圧からのびる「前線」とは?
低気圧からのびる色の付いた線がありますが、これは「前線」と呼ばれるもので、地表付近での暖かい空気と冷たい空気の境目のようなものになります。前線には4つの種類があり、赤色の前線が「温暖前線」、青色の前線が「寒冷前線」、赤色の前線(温暖前線)と青色の前線(寒冷前線)が交互に連なっているものが「停滞前線」、そして紫色の前線が「閉塞前線」となっています。

特徴的な天気図を紹介!

天気図は季節ごとに現れやすいパターンがあります。この先5つの天気図パターンを紹介していきます。
■西高東低(冬型の気圧配置)
西高東低という文字の通り、日本列島の西側に高気圧、東側に低気圧があるパターンの気圧配置です。主に、冬に見られるため「冬型の気圧配置」ということもあります。この気圧配置になると、日本付近には冷たい北より風が吹き、寒くなります。また、日本海側では雪が降り、大雪となる可能性があります。

■南高北低(夏型の気圧配置)
南高北低という文字の通り、日本列島の南側に高気圧、北側に低気圧があるパターンの気圧配置です。主に、夏に見られることが多いです。夏になると、日本の南側に太平洋高気圧が張り出します。この太平洋高気圧は、暖かく湿った空気を持っており、日本付近を覆うと気温が上昇し、蒸し暑くなるのが特徴です。

■南岸低気圧
南岸低気圧とは、日本列島の南岸(太平洋側)を発達しながら東へ進む低気圧のことです。下の天気図では前線を伴う低気圧が南岸低気圧になります。主に、冬に見られるパターンで、南岸低気圧が通過すると、西・東日本中心に雨や雪が降り、低気圧の進むコースによっては太平洋側でも大雪となる可能性があるため、注意が必要です。

■日本海低気圧
日本海低気圧とは、東シナ海や黄海で発生した低気圧が、日本海を進むことをいいます。主に、春に見られるパターンで、日本海低気圧が通過すると、日本付近は南よりの風が吹き、暖かい空気が流れ込みます。特に、日本海側ではフェーン現象が発生することがあり、気温が急上昇し、湿度が下がる場合があります。また、立春から春分の間で日本海低気圧が通過するときに、初めて観測される強い南風を春一番と呼びます。春一番については、こちらのコラム(https://sorakura.jp/20230215201-2/)でも詳しく紹介していきます。

■梅雨
6月から7月に見られやすい気圧配置で、オホーツク海付近にオホーツク海高気圧、日本の南には太平洋高気圧があって、日本付近には前線が停滞している状態です。この停滞している前線を「梅雨前線」ということもあります。この前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むと、大雨となるおそれがあります。

ここまで天気図について紹介していきました。天気図には、いろいろなパターンがありますが、テレビなどで見かける際は注目してみましょう!

天気図

参考
浅井冨雄・内田英治・河村武:気象の事典 平凡社版 p373 1999

気象庁 気圧配置 気団・前線・気圧配置・天気図・気圧系の発達、移動に関する用語
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/haichi3.html