日の出の時間が遅いこの時期、朝起きるのが面倒になることはありませんか?
冬の朝に起きられなくなることには、理由があります。
今日は、その原因と対策についてお話します。
【原因①】日照時間少なく、身体にストレスがかかりやすい
冬は、日照時間の短さから、知らず知らずのうちに身体に負担がかかっています。
全国的に日照時間は、12月の冬至をピークに短くなり、夏至の昼間の時間が一番長い時期と比べると、東京では約5時間も差があります。
日を浴びる時間が短くなると、感情や精神面、睡眠などに大きく影響する、脳内の神経伝達物質のひとつであるセロトニンの分泌量が減り、身体にストレスがかかります。
体内のセロトニンが減少すると、過眠や過食、日中でも眠くなる、気分が落ち込みやすくなるなど、いわゆる「冬季うつ」と呼ばれる症状が現れることもあります。
【原因②】寒暖差によって、自律神経が乱れやすい
また、1月下旬は最低気温が最も低くなる時期となります。
この頃の朝は、屋外はもちろん、室内の気温もグッと下がっています。
室温は下がっている一方で、布団の中は汗をかいて暖かくなっているので、温度差が大きくなります。
この温度差によって自律神経が乱れやすくなり、身体に負担がかかるため、朝なかなか起きられなくなることに繋がります。
自律神経は、運動神経と違い意識的に動かせるものではありません。
呼吸や血液循環、消化などを無意識のうちに調節してくれるものです。
この自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経は活動や緊張を、一方、副交感神経は休息やリラックスをつかさどります。
人間の身体は気温や気圧、天気の変化といった様々な外的な条件により影響されますが、交感神経と副交感神経がバランスをとることによって、体調不良にならないように機能してくれています。
しかし、布団の中と寝室の室温の差が大きくなりすぎると、この自律神経の切り替えのバランスが上手く働くことができず、朝起きにくくなってしまいます。
この自律神経の切り替えのバランスが上手く働くことが出来なくなります。
【対策①】朝起きたら朝日を浴びよう!
朝起きたらカーテンを開けて、できるだけ朝日を浴びる習慣をつけると良いでしょう。
日光を浴びると、体内時計が整い、セロトニンの分泌が増えて冬季うつの予防に効果的です。
【対策②】暖房のタイマー機能を使って、起きやすい環境づくりを!
寒い室内は、朝起きられないだけではなく、布団との急激な温度差により、ヒートショックと呼ばれる血圧の急上昇・急降下が起きる可能性があります。
最悪の場合は、突然死につながるケースもあります。寒さがピークを迎えるこの季節、朝快適に起きるためには、身体がなるべく冷えないようにすること、いわゆる、ヒートショック対策が重要になってきます。
夜寝る前に、エアコンのタイマーを起床時刻より早めに設定し、ヒートショックを防ぐ目的でも、寝室と廊下、台所、トイレなどの温度差を無くすことが有効です。
そのほかにも、自律神経を整えるには、バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠などを心掛けていきましょう。
東京医科歯科大学医学部卒。同大学小児科学教室に入局、関連病院で研修後、子育て期間を経て、現在は東京都内、埼玉県内のクリニックに勤務。日々こどもの診療に奮闘中。自然科学全般に興味があり、気象予報士の資格も取得。