七五三といえば、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳のときに、その成長を祝う行事です。旧暦の11月15日は年中での吉日に当たり、以前は15日に行うのが慣例でしたが、最近では15日近くの土日に行われることが多いようです。この週末は神社へお参りに行かれる方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、七五三の意味や、雨が降ってしまった場合の対策をご紹介します。
七五三の意味や由来
七五三は古くからあるように感じますが、現在のような行事の原型ができたのは江戸時代です。もともとは、3歳でそれまで剃っていた髪を伸ばし始める「髪置」、5歳で初めて袴を身に付ける「袴着」、7歳で着物を留めるのに使っていた紐を帯に変える「紐落(帯解)」という儀礼を行っていました。
昔は、医療・衛生状態がよくなく、「七つ前は神のうち(7歳未満の子は神がその運命を決める)」というほど乳幼児の死亡率は高い状態でした。そのため、7歳を迎えるまでの年月を大切に祝うのが七五三なんです。
歌川豊国(3世)「七五三祝ひ乃圖」 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
千歳飴にも意味があります。千歳には、千年や長い年月という意味があり、千年飴や寿命飴ともいいます。袋には松竹梅や鶴亀といった縁起物が描かれ、色は縁起が良いとされる紅と白が使われています。つまり、千歳飴には子供が元気に成長するよう、また長生きするようにという願いが込められているんです。
七五三は天気に左右されやすい?
七五三は、神社へ参拝したり、家族で写真撮影をしたりする方が多く、さらに着物となると天気の影響は大きいと言えます。晴れれば青空と着物のコントラストが映えますが、雨が降った場合も考慮しなければなりません。今回は、神社へ参拝する際と、写真撮影における雨対策をご紹介します。
神社へ参拝する時の雨対策
着物で参拝する時は、足元に注意が必要です。石畳は雨で濡れると滑りやすくなり、履き慣れない草履は一層歩きづらく、転んでしまう可能性もあります。移動する際は、長靴へ履き替えるとよいでしょう。
また、着物が汚れてしまった場合のクリーニング代も心配ですよね。レンタル着物だと弁償の必要はないケースや、保険で保証するサービスもあるようですが、なるべく汚れは避けたいところです。
着物を短めに着付けてもらったり、傘に加えて裾まで隠れるようなポンチョ型のレインコートを用意したりするとよいでしょう。傘は和傘を用意するのがおすすめです。和傘と着物は相性がよく、晴れた日でも写真撮影の小物として使えます。
屋外で写真を撮る時の雨対策
雨の日は、一般に普段より参拝客が少ないので、写真を撮る上では良い面もあります。ただ、雨で濡れてしまうと、水滴は体温を奪いながら蒸発するため、体が冷えてしまいます。風邪をひかないように、撮影は短い時間で行い、タオルや防寒グッズも用意しておきましょう。
前述の通り、写真撮影の際は和傘を用意すると、雰囲気のよい写真が撮れます。傘で顔が隠れたり影になったりしないように気をつけましょう。また、雨の雫で濡れている木々や葉は艶やかで、荘厳な雰囲気がありますので、自然を背景に写真を撮るのもおすすめです。
もし悪天候で延期やキャンセルをする場合は、レンタル着物屋さんや写真スタジオ、美容室など、予約したところへ早めに連絡をとりましょう。その際はキャンセル料金などもしっかりご確認ください。
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<参考>
・「日本風俗史事典」 日本風俗史学会編 弘文堂
・「日本大百科全書」 小学館