今月から始まった連載コラム『空と暮らす』。毎月の天気の特徴と、その月の暮らしに役立つ情報をお伝えしていきます。
11月の天気の特徴 冬将軍の到来=冬の冷たい空気が流れ込む合図
11月の天気を左右するのは『冬将軍』の動向です。11月は、秋から冬への移行期間。
晴天に恵まれポカポカとした小春日和になる日もある一方、西から冬将軍、つまり冬の冷たい空気が流れ込み、日本海側の地域では、雨や雪が降り、太平洋側の地域は北寄りの風が身に染みる日もあります。
冬将軍が襲来するのかどうか見極めるのは実は簡単!テレビやインターネットの天気予報で天気図を見てみて下さい。下の天気図のように、日本列島の上に線(天気予報の用語では等圧線と言います)が、縦じまに伸びていたら、冬将軍がやってきて、冬の冷たい空気が流れ込んでいます。
気温に加えて、湿度の変化も大きい
冬の冷たい空気は絶えず流れ込み続ける訳ではなく、押しては返す波のように日本へ迫ってくるため、寒暖差が大きくなるというのが今月の特徴です。「一雨一度」という言葉があるように、一雨降る度に少しずつ気温が下がり冬へ向かっていきます。
日ごとの気温変化、朝晩と日中の気温差も大きいため、天気予報をチェックして、ご自身や家族の体調管理に役立てて下さい。
また、気温の変化だけでなく、湿度の変化も大きい時期です。夏、空気中にたっぷり含んでいた水分は、カラッとした空気に入れ替わる影響で、どんどん減少していきます。気温も下がるため空気中に含むことのできるそもそもの水分量が減ってしまい、空気の乾燥が進みます。この傾向は特に太平洋側の地域ではっきりと現れています。
※気象庁HPのデータより筆者作成
上の表は、気象庁が設置している観測機で観測された最小湿度の値を、過去3年分、月ごとに平均したものです。湿度が50%を下回ると空気が乾燥していると言われる事から、40%以下を乾燥警戒としてオレンジ、41~50%未満を乾燥注意として黄色で塗分けています。
太平洋側の地域では、11月になるとぐっと湿度が低下し、空気の乾燥に注意。日本海側の地域は、雨・雪の降る日が増え、屋外の空気は比較的潤っていますが、暖房を使用する頻度が多くなるため室内の空気は乾燥しがちです。肌や目・のど・髪などのかさつきが気になり始める時期になりますから、保湿ケアをしっかりと行うようにしましょう。
家族みんなで乾燥対策を始めよう
皆さん、湿度計は置いていますか?我が家は、時計と気温・湿度が一緒に見られるデジタル温湿度計をリビングに置いています。
毎シーズン暖房をつけ始めると、加湿器を稼働させているにも関わらず乾燥し過ぎで湿度表示が多々エラーになります。そんな時に役立つ加湿方法を3つご紹介します。
①洗濯物を部屋干しする
加湿器は、湿度を上げる面積がどうしても限られてしまいますが、洗濯物を部屋干しすれば、部屋全体を加湿することができます。冬場は日照時間が短いこともありますので、エアコンを使用している部屋で、部屋干しをすれば、乾燥対策にもなりますし生乾き対策にもなります。
②お湯を沸かす・鍋をする
温かい飲み物を飲む際にお湯を沸かしたら、やかんやケトルの蓋を開けておくと蒸気が出て加湿することができます。お鍋も同様の効果が期待できますよ。
③入浴後は浴室のドアを開けておく
入浴した後、お風呂のドアを開けておくだけで、蒸気が他の部屋へ広がり加湿ができます。
赤ちゃんや小さなお子さんは、肌の乾燥やのどの違和感を自分で伝えることが難しいですから、ぜひ湿度計で湿度を測り、これから迎える本格的な冬に向けて、家族みんなで乾燥対策を行っていきましょう。